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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第70話 そして、神竜との戦いへ・・・
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あるトシキから、「変化の杖」を借り受けた。
この杖を使って、ホビットに変身すれば、エルフと取引が出来るようになるのだ。

「しかし、いやな依頼を押しつけられたな」
俺はため息をついた。
トシキに変化の杖を借りたお礼をしなければならない。
そして、その依頼の内容はトシキらしい内容だった。

俺は、気を取り直して、周囲の仲間達を見回した。
「・・・」
先ほどまで大喜びしていた勇者が、うなだれていた。
「どうした?」
「指輪が、壊れちゃった・・・」
勇者が目に大粒の涙を浮かべながら、粉々になった指輪の残骸を、両手ですくうような状態で俺の目の前に差し出した。
「しかたがないな。MPは全快したのか?」
「はい・・・」
「ならば、問題ないな」
俺は、セレンとテルルの様子を確認する。
2人とも指輪を見せながら、喜んで頷いている。
俺は、MPが回復していることを確認すると、目の前の階段を登り始めた。



「ほほう・・・」
目の前の巨竜は、俺達を興味深そうに見下ろしていた。

「ここまでたどり着ける人間がいたとはな」
ここにたどり着くまでは、盗賊の特技「忍び足」を利用したため、かなりの戦闘を回避することができた。
それほど苦労はしなかった。

「私は神竜。天界を治める者だ」
俺達も、各自名乗りを上げる。
それにしても、天界の治める領域はどこまであるのだろうか。
そして、途中にある城を治めるゼニス1世との関係はどうなっているのだろうか。
後で聞いてみたい気もするが、聞きたいという願い事になってしまうことを恐れて、自重しよう。

俺達の様子に満足したのか、神竜は大きな声でうなずいた。
「いいだろう。
ここまで来た褒美にそなたの願いをひとつだけかなえてやろう」
勇者達は嬉しそうな笑顔を見せる。
だが、神竜の話が終わっていないことを知っている俺は、表情を引き締める。

「ただし!この私を打ち負かすことが出来たならだ・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」

俺以外の全員が、何とも言えない表情を見せる。
俺もつられるように、表情を引き締める。
彼女たちは、神竜にあえただけで願いが叶うと思っていたらしい。
残念ながら、世の中そんなに甘くはない。

でも、文句を言うわけにもならない。
願いが叶うかどうかは、力を持つ神竜が決めることだ。
そして、神竜が殺気を放ったことで、言葉による反撃を封じ込めた。
「いくぞ。用意はいいか?」


「セレン。ドラゴンシールドを」
「はい」
セレンは俺の指示に頷くと、これまで装備していた、みかがみの盾をドラゴンシールドに取り替える。
セレンの防御力は少し下がるが、ドラゴンシールドの力で神竜が放つブレス攻撃を軽減することが
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