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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第69話 そして、ゼニスの城へ・・・
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「戦う前に、考えておくわ」
「セレンは、どうする?」
「私は、タンタルさんに生き返って欲しいです」
「そうか、そうだな」
俺は、かつて共に戦った戦友の事を思い出す。

彼がいなければ、俺達は大魔王に倒されたはずだ。
後は、タンタルの気持ち次第だな。
セレンに託した言葉を聞く限り、自分の人生はあそこで終わりと決意したはずだ。
死んでから、気持ちが変わっていなければ、いや思考をすることができるのか。
まあ、そこらへんの事は、生き返ることが出来たら聞いてみよう。

「俺は、父さんを生き返らせたい」
「そうか」
「そうよね」
セレンとテルルが頷く。


王のいるところのそばにある一室。
そこにいた吟遊詩人の男に声をかけた。
「おや?あなたたちは下界からやってきたようですね」
「見事な推理ですね」
俺は感心した振りをする。
「と、言いたいところですが残念です。
天界と下界以外に別の世界が有るのなら、教えて欲しいですね」
吟遊詩人は俺の言葉に驚愕し、しばらく声が出なかった。
吟遊詩人は、俺を悪魔でも見るように眺めると、俺の発言を無視して話を続けた。

「ここまで来られたということは、かなりうでには自信がある。
しかし頭のほうはどうですかな」
俺は、セレンに視線を向ける。
セレンは俺の考えをくみ取り、鞄から眼鏡を取り出し装着する。

「ひとつ私がなぞをさしあげましょう」
セレンは、吟遊詩人の話に頷いた。
俺は答えを知っているので、今回はセレンに任せよう。

「ほろびの町。十字架の下できらりと光るものは・・・」
吟遊詩人は満足した表情で話を続ける。
「さてこのなぞがとけますかな?」
俺達の、表情に変化が無いのを見て、吟遊詩人はにこやかに手をふった。
「とけたら戻ってくるのですよ」

「失礼ですが、あなたの「なぞ」が理解できないのですが?」
セレンの言葉に吟遊詩人は、理解できない表情をしている。
「念のため、私が知っている「なぞ」という言葉と、あなたのいう「なぞ」とは意味が異なるかと思って確認したいのですが」

セレンは、身につけた眼鏡の位置を調整しながら、話を続ける。
「あなたのいう、「なぞ」とは「アリアハンの城にある宝物庫にはどんな宝が入っているのか」ということと同じような話ですよね?」
吟遊詩人は、しばらく考えてためらいがちに頷く。

「私が知っている謎とは、このようなものです」
セレンはかつて俺が考えた謎を披露する。
「我は、切り裂くものなり。かつて、我が意志は人に有らざるものなり。我は人の手により、人の意志に従いしものなり。我とは何?」
吟遊詩人はセレンの問いをしばらく考えると、急に驚愕の表情を示す。

「こ、答えを知っているのか」
「ええ、わから
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