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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第68話 そして、天界へ・・・
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「はい?」
俺は、理解できなかったので、思わず変な声をあげてしまった。
「アーベルさん」
勇者は俺の手をつかむと、困惑した表情で見つめてきた。
「そのひととは、どういう関係ですか」
「ただ、ステンドグラスを前にして話をしただけだ」
「あやしいなぁ」
テルルが会話に割り込んできた。

「怪しくないって。それよりも、先に進もう」
俺は、ステンドグラスの手前まで、進んでゆく。
「何処にいくの?」
セレンとテルルがおそるおそる俺についてくる。
勇者は、元気よく俺についてくる。
「またか・・・」
俺は、目の前がぐるぐる回る感覚にぼやきながら、旅の扉のような、別の場所に転移する感覚を味わっていた。
「い、痛い」
俺の頭に激痛が走り、いつの間にか意識を失った。



「アーベルさん、大丈夫ですか」
勇者の呼びかけで目覚めた俺は、痛む頭を抑えながら起きあがる。
恐らく、転送されたときに生じた酔いに耐えきれず、倒れてしまったようだ。
「なんとか、大丈夫だ」
俺は、不安そうに見つめる勇者に声をかけてから、周囲を見渡す。

周囲に平地が広がっている。
だが、平原と異なっており、平地がとぎれた先には青い空が続いている。
そして、本来であれば上空にある雲は、手を伸ばせば届きそうな高さにある。
「・・・。天界か?」
「たぶん」
テルルは答えたが、不満そうに話を続ける。
「大きな城とか、あるとおもったのに」

次回作なら、テルルの期待に応えられたはずだけに残念だ。
「何かいった?」
「いや」
俺は、テルルに返事をしながら、目の前にある岩山を指し示す。
「ひょっとしたら、あの先にあるかもね」
「すごいです、アーベル」
「いや、セレン。感心するには、まだはやすぎる」
テルルに先んじて、俺がセレンをつっこんだ。
「まあ、行けばわかるさ」
3人が頷く。


俺は、気を引き締めて声をかける。
「準備しておこう」
「何のこと」
テルルの質問に答える。
「モンスターとの戦闘をだ」
「どうして?」
「ここは、天界なのに?」
セレンとテルルは疑問に声に出す。
それでも、戦闘準備の始める3人に対して、俺はどう答えようか考えていた。

俺は、ゲームのなかで、これから先、強力なモンスターが出現することを知っている。
だが、そのことを口にせず、説明を試みなければならない。
「大魔王が出現しても、天界に動きはなかった。どうしてだと思う?」
「それは、・・・」
「関与する気がなかったか、関与できる状況に無かったからですか」
俺からの急な質問に答えられずにいると、セレンから返答がかえってきた。
どうやら、セレンの戦闘準備が整ったようだ。


俺がセレンに「インテリめがね」を渡してから、戦
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