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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第68話 そして、天界へ・・・
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かなと考えながら、右側を眺める。

「アーベル、怖いです」
高所恐怖症のセレンは、俺の右腕をつかんではなさない。
「大丈夫だ、俺がついている」
「アーベルさん、私もこわいです」
「さっきまで、嬉しそうに乗っていただろう?」
俺は、勇者に突っ込みをいれる。
勇者は、妹のようにかわいいが、最近甘えるようになっているので、困っている。

勇者は「てへへ」と舌を出しながら、俺に謝る。
誰から教わったのか、思い当たるふしはあるが、俺にはそんな攻撃は一切通用しない。
「しょうがないやつだ、ほら捕まれ」
俺は、勇者に左腕をさしだす。

「やっぱり、アーベルは年下が好みなのかしら?」
背後から、テルルの視線が突き刺さる。
「そういう話ではないだろう」
「違うのですか」
勇者がすねたように質問する。


「おい、目的地だぞ」
俺は、目で目標物を指し示す。
両手が使えないのは、こんなとき不便だ。
「大きなお城ね」
「そうだな」
竜の女王の城が、目の前に迫っていた。



「お久しぶりですね」
俺は以前この城で知り合った女性に声をかける。
「あなたは・・・」
振り向いた女性は、ステンドグラスからあふれる光に映し出されて、幻想的な印象をあたえていた。
「天界に行く用事が出来まして、ここに来ました」

目の前の女性は、俺を尊敬のまなざしでみつめる。
「あなたが、大魔王を倒したのですね」
「いや、俺は倒していないけれどね」
俺は、隣にいる勇者を紹介する。
「このこが、倒してくれたのさ」

「おにい、アーベルさんがお世話になったようで」
勇者は女性に声をかける。
「お世話されてないけど」
「かわいいわね。妹さん?」
「そうで「違う!」」
勇者の嘘を慌てて否定する。

俺と、勇者とは似ていないはずだ。
それにしても、一体、どこからその発想がでるのか。
「ふーん。仲が良いのね」
「はいっ!」
勇者は元気よく手を挙げて返事をする。
女性は、勇者の姿をみて微笑んでいた。

「アーベル、お待たせ」
「アーベル、ここのお馬さん。すごく賢いわね」
セレンとテルルがこちらに向かって歩き始める。
「馬はみんな賢いよ。違いは、しゃべるかどうかだけさ」
「アーベル、すごいです」
俺は、セレンの驚嘆の声を無視して、女性の方を振り向きながら2人を紹介する。

「商人のテルルと、盗賊のセレンだ」
「・・・」
急に女性の視線が厳しくなった。
「どうしたのかな?」
「よくわかりました」
女性は、厳しい表情で俺を睨んだ。
「なにが、わかったのかな?」
俺はおそるおそる質問する。
「あなたは、こんなにすてきな女性たちをパーティに加えているのに、私にまで手を出そうとしていたなんて」

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