第65話 そして、師匠の話へ・・・
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いる。
ゆっくりと休んではいたが、しばらくしたら冒険に出ることを考えていた。
テルルへの責任を果たすためだ。
テルルは俺の願いに応えて、商人から盗賊に転職していた。
だが、テルルの転職については、テルルの父キセノンとの約束「魔王を倒す」は果たすことができなかった。
俺はキセノンに、国王と同様の報告と謝罪をした。
キセノンは俺の話を聞くと、自分の後継者を娘のテルルにすることを決め、俺に対してテルルを商人に転職させて、一定のレベルまで育てて欲しいと依頼された。
俺には、断る理由はなかった。
だが、すぐに商人に転職するのもMPがもったいないので、魔法使いか僧侶の経験も積むことを考えている。
セレンも転職を考えているようだった。
勇者が持っていた本物の賢者の石を眺めながら、
「私みたいな普通の僧侶は、やっぱりいらない子なのね」
と言って泣き出したのを何とかなだめ、転職し一緒に冒険をすることで説得することができた。
俺が、これからの事をジンクに話したら、
「いいですねえ、ハーレムパーティですか」
「お前と一緒に冒険したときと、変わらんぞ」
ジンクとのボケに冷静なつっこみをいれる。
「勇者さんにも優しいようですが」
ジンクの視線は、天幕の隅で俺達の会話を聞いていた勇者に移った。
俺は当初、勇者をロマリアに連れて行くつもりはなかった。
だが、ロマリアに行くことを知った勇者が、
「ジンクお師匠様に、どうしても会いたい」
と言い出した。
俺は、かつて勇者にジンクの事を話したことがある。
ジンクが使用する変わった呪文の事を話すと、妙なことに勇者はジンクの事を「お師匠様」と呼ぶようになった。
「遊びに行く訳じゃない」
と説得したが、
「1日だけだから」「一つ呪文だけを教わったら帰るから」と言って、無理についてきた。
俺は勇者の頼みを、断る理由ことは出来なかった。
それにしても、勇者は、どんな呪文が覚えたいのだろう。
俺は、考えをジンクの質問に戻して、
「レベル1だから仕方ない」
と、もっともらしく話をしたが、
「私がパーティに参加したときも、レベル1ですが」
屈辱的なことだが、正確な事実をジンクに指摘される。
「イオナズンを使うレベル1と、一緒にするな」
「アーベルは、信じていなかったくせに」
ジンクは、悲しい表情で俺に詰め寄る。
作戦が順調とはいえ、自重してくれ。
俺は、周囲を見回してジンクを諫めてくれる相手を探したが、俺以外いないようだ。
勇者などは、目を輝かせて俺達のやりとりを聞いている。
早く作戦が終わって欲しい。
俺の願いが通じたのか、作戦成功の知らせは、すぐにもたらされた。
「お久しぶりです」
「ソフィアの息子だったな
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