第64話 そして、勇者の帰還へ・・・
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
邪魔にしかならないのだ。
俺の疑問に答えてくれたのは少女だった。
「私の事を、「フラグ」と呼んでいました。意味はわかりませんが、関係があると思います」
「・・・。なんとなく理解した」
「どういうこと?」
ソフィアが俺に質問した。
「彼女たちは、勇者がいることで話が進むことを考えていました。
その存在をフラグと呼ぶことがあります」
俺と3姉妹が同じ事を考えていたことを理解した。
そして、俺と同様にこの世界に召喚されたことも。
何らかの理由で、話を進める理由があったのだろう。
「母さんも知っているとおもうけど、勇者だけが開けることのできる宝箱があると」
ソフィアがうなずいた。
「それを知った彼女たちが、誘拐したと?」
「そう思います。ただ・・・」
俺の質問内容を理解した少女は話し始めた。
「私が訓練場で最も練習を積んだのは、解錠術です。おかげで、勇者しか開けることができない宝箱も、根性で開きます」
精神論で鍵が開くのか。
今度、試してみよう。
「アーベルさん、やめたほうがいいですよ。
開けると確実に死にますから」
少女は俺に微笑んだ。
「・・・」
俺は黙ってうなずいた。
その後、魔王を倒したことをアリアハン王に報告し、大魔王ゾーマが出現したという。
大魔王ゾーマを倒すため、再び旅に出る3姉妹と俺がばったりと出くわしたのだ。
「あのとき、アーベルさんが光の玉を渡してくれなかったら、アーベルさんは殺されていました」
俺は冷や汗を流しながら頷く。
俺達の行動を調べていた3姉妹だ。
光の玉がないことを知れば、俺が入手したことを考えたはずだ。
俺から奪おうとするだろう。
「殺してでもうばいとる」
頭の中に、この言葉が浮かんできた。
アリアハンを後にした3姉妹は、大魔王ゾーマを倒すため、下の世界アレフガルドを歩き回った。
ゲームの攻略内容に忠実に、ゾーマ城に行くための橋をかけて渡ったそうだ。
まあ、俺のやり方は異端だろう。
MPも消費するし。
順調に城内に侵入し、勇者オルテガと再会し、そして、
「すまない」
俺は少女に謝った。
俺がゾーマを倒していたら、オルテガは死ぬことはなかっただろう。
「気にしないで下さい。大魔王は勇者が倒すことになっているのですから」
少女は、俺の手を握ると優しく微笑んでいた。
だが、俺は少女の瞳の奥にある悲しさを感じ取っていた。
俺は大げさにうなずいた。
「ということは、ゾーマは倒したのだな」
「はい。とはいえ、正確には彼女たちが倒しましたが」
少女は正直に答えた。
「その、3姉妹の行方なのだが、・・・」
俺はためらいがちに質問する。
目の前にいる少女の答え次第で、俺の将来が決まるのだ。
「彼女たちは消え
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ