第64話 そして、勇者の帰還へ・・・
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ことが、少女を勇者として、したてあげる要因になったのだろう。
その後、新たな勇者候補生があらわれたが、ようやく10歳になったところだ。
結果的に、国王達の判断は正しかったのだろう。
俺の個人的な思いとは別にして。
「それで、しゃべれなくなったと?」
「私が嘘をつけないことを知っていた母親は、私が勇者の役割を終わらせるまで、しゃべらないことを私に約束させました」
「しょうじきものだったのね?」
少女は頷いた。
「私は代わりに、アーベルさんと一緒に冒険することをお願いしました」
俺は頷いた。
いろいろしでかした俺達が、勇者と一緒に旅を行うことが認められた理由の一つだったのだろう。
「本来なら、そこで私の秘密が明らかになる予定でした」
「まあ、一度魔王を倒した実績のある俺達と一緒だったら、問題ないと判断したのか?」
少女は頷いた。
「しかしながら、彼女たちと一緒に冒険することになった私は、魔王を倒すまでしゃべることができなくなりました」
少女は、悲しそうに俯く。
「・・・。大丈夫だったのか」
俺は覚悟を決めてたずねた。
タンタルのこともある。
思い出したくないかもしれないが、何があったのかは聞かなければならない。
3姉妹の次の行動を予測するために。
「私はさらわれたわけではなく、3姉妹のお願いに応えようとしただけです。
一度も何もされませんでした」
「ほんとうか?」
少女はうなずいた。
「彼女たちは、「妹たちに再会するために旅をしている。
そのために、勇者の力が必要だ。
だから、自分たちについてこい」といっただけでした」
「そうか」
俺は少女の目を見たが、嘘は言ってないようだ。
とりあえず、俺とソフィアは魔王バラモスを倒すところまで話を聞いていた。
3姉妹の行動は、俺が推測したとおりの展開だった。
すばやく、ロマリアに移動し、あらかじめ強奪していたロマリア王家の冠を城内に置いておく。
王冠が発見された騒ぎを利用して、ロマリアの船を強奪。
強奪した船で、ロマリア海域に出没する幽霊船に潜入して、重要アイテム「あいのおもいで」を入手。
ロマリア海域が封鎖された事を知ると、今度は俺に変身してアリアハンから船を強奪した。
その後、世界各国を訪れ、オーブを6つ集めると、不死鳥ラーミアを復活させる。
そのまま、魔王バラモスを襲撃したのだ。
俺は彼女達の行動のすばやさに感心する。
タイムアタック並に洗練されている。
だが、ここで疑問も生じた。
「なんのために、あなたがさらわれ、いえ、一緒に冒険を要請されたのですか?」
ソフィアもうなずいていた。
彼女たちのレベルは99だ。
どう考えても、レベル1の勇者をつれて歩く理由がない。
戦力としては、
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