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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第64話 そして、勇者の帰還へ・・・
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を思い出したのだろう。
だが、ジンクの話であればソフィアも俺と同罪だ。
同じ師匠から学んだもの同士、お互いのことを知っていたからだ。

重ねて言うが、俺が、勇者が女だと知らなかったのは本当の話だ。
さすがに、知っていて知らない振りをしたら、セレンとテルルに殺されるだろう。
理由はわからないが。
「セレンとテルルは知っているのか?」
俺は勇者に問いただす。

「ご存じでした」
勇者が答えてくれた。
「なぜ、2人は俺に教えなかったのだ?」
「すいません。秘密にしてもらうように2人にお願いしました」
「なら、仕方ないな」

俺はほっとしてため息がでた。
これで、2人から追及はないだろう。
「ちなみに、2人はいつ頃気がついたのだ?」
「3人で遊んだときです」
勇者は顔を赤くしてうつむいた。
なにか、恥ずかしい思い出でもあったのか。
詳細は話してくれなかった。

「・・・。ということは」
俺は顔を真っ赤にした。
俺とセレンとテルルがアリアハンを旅だった日のことを思い出した。
なんてことを勇者に言ってしまったのか。


俺と勇者がお互いにうつむいて黙っていると、ソフィアが俺達に話しかけた。
「今日は、お見合いで来たわけでは無いのよ」
「・・・。そうだった」
俺達は、勇者から冒険の話を聞くために来たのだ。



勇者にいろいろ確認したいことがあるが、最初の質問はこれだ。
「どうしてしゃべれるように、なったのだ?」
「すいません。大魔王を倒したので、ようやくしゃべれるようになりました」
大魔王のせい?
だが、原作にそんな設定があるとは聞いたことがないし、そもそも、俺に謝る必要などない。
と、俺の疑問を母親が代わりに質問してくれた。

「・・・。あなたは、あなたのお父さんが亡くなったと聞いた日から、しゃべれなくなったと聞いたけど」
「ごめんなさい。勇者の役割を果たし終わるまで、しゃべれなかったのです」
「どうして?」
俺は勇者に質問する。
勇者オルテガは、普通にしゃべっていたはずだ。
「実は私は、勇者ではありませんでした」
「・・・。え?」
「なんですって」
俺とソフィアは驚愕した。
俺はともかく、この国の宮廷魔術師であるソフィアも知らなかったとは。

「父が亡くなったと知らされた後、私は母親の言葉をうけ、勇者の素質があるか確認しました」
少女は少しだけ顔をうつむかせる。
「しかし、私に勇者の素質が無いことが判明したのです」
目の前の少女はたんたんと話す。
髪型のせいか、どちらかというと美少年に見える。
「そのことを知った王と大臣と母親は、国民の希望を絶やさぬ為に、私を勇者にしたてました」

当時、アリアハンには勇者候補生は誰もいなかったはずだ。
その
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