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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第8章 そして、伝説へ・・・
第61話 そして、現地へ・・・
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げましょう」
最初、受け取りを拒否しようかとかんがえたが、時間がないので受け取った。
あとで、勇者にあげることにする。

「そして、もし大魔王をたおしてくれたなら、きっといつかその恩返しをいたしますわ」
どうしよう、一度は倒した事を話すべきか。
お礼はいらないが、大魔王ゾーマが復活できないようお願いする必要がある。
もし、精霊ルビスの力ではないとすれば、大魔王ゾーマが復活できないようにするための方法を尋ねる必要がある。

「そうでしたか」
精霊ルビスは、俺の説明を聞いた後、答えてくれた。
「私の力があれば、大魔王の復活を阻止することができます」
「俺は、大魔王が倒れれば、あなたの封印も解けるものとおもっていました」
俺は頭をかいた。

「残念ながら、この封印は大魔王が倒れても解けません。もし、封印さえなければ」
精霊ルビスは、すまなそうな顔をする。
済んだことを責めてもしかたない。
俺が、あらかじめ助けていたら、問題なかったという点では俺の責任だ。
これからの事を考えなければならない。
「では、大魔王が倒れたときの事はよろしくお願いします」
俺は、帰還呪文「リレミト」を唱えた。
「私は精霊ルビス、この国が平和になることを祈っています」



翌日、俺達三人はゾーマ城の入り口付近にいた。
城は綺麗に修復されており、俺達が魔法の玉で攻撃した傷跡は、全く残っていない。

城の左手には、大きな穴が開いている。
「ここか」
俺は正直、ここに来たくはなかった。
俺はここでの戦いで、仲間を死なせてしまった。
そして、死体が残らなかったことから、復活は無理だ。
ここに来れば、自分の愚かさを嫌でもつきつけられるからだ。
それでも、確認しなければならない。
それが、タンタルによって生き延びた俺達の責任でもある。

穴の一番深いところは、地表から約5メートルあった。
無論、そこには何も無い。
タンタルが生きていたことを示す物は、ここには存在しなかった。

「アーベル」
セレンは、俺に優しく声をかけた。
「タンタルさんからのことづてです」

「俺はこれまで、何回も死んできた。
死んだままでいる事が、許されなかったからだ。

俺は、3姉妹から解放され、最初に思ったことは、もう無駄な死を強いられることはなくなったのだと喜んだ。
そして、アーベル達と一緒に冒険をするようになり、俺は何のために生きているのだろう。
そのことばかり、考えてきた。
だが、今日まで、答えは見つからなかった。

ようやくわかったよ。
俺はここで、みんなを脱出させるために生まれてきたことを。
ありがとう、アーベル。
俺に生きる意味を教えてくれて」

「タンタル」
「タンタルさん」
「・・・」

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