第60話 そして、終わりの始まりへ・・・
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にしたキメラの翼を使用する。
修正ができないのならば、逃げるしかない。
それに、テルルが持つ光の玉は、絶対にゾーマに奪われてはいけない。
脱出しようとする俺達を、ゾーマは冷酷な表情で眺めていた。
「うお?」
「きゃあ!」
俺達は、魔法の壁のようなものに跳ね返され、先ほどまで戦っていた城門の前に戻されていた。
目の前のゾーマは、ニヤリとする。
「知らなかったのか。大魔王からは逃れられない」
ああ、知っていたさ。
それでも、すこしは可能性を信じてみても良いじゃないか。
こうなれば、もう一度ゾーマを倒し、復活する前に退却するしかない。
そう、覚悟を決めたとき、背後からモンスターの気配を感じた。
「いつまでも、1人で相手するとは思ったか」
周囲にはドラゴンやキメラなどの群れが待ちかまえていた。
ゾーマだけでなく、モンスターと同時に戦うだけの力は残されていない。
回復の鍵である、「賢者の石のようなもの」も使用回数に限りがある。
もう、策は尽きていた。
俺に絶望がのしかかる。
最初から、ゾーマは俺の考えを読み取っていたのか。
済まない、テルル。
無理して盗賊に転職してもらったのに。
済まない、セレン。
効率を求めるあまり、癒し系僧侶への配慮を欠けていた。
済まない、タンタル。
勇者がいたら、巻き込まれる事はなかったのに。
そして、済まない勇者よ。
光の玉を奪われてしまう。
勇者の旅は、さらに過酷なものになるだろう。
なんとか世界をすくってくれ。
と、よく見るとタンタルは笑っていた。
俺と視線があうと、ウインクで返す。
策があるのかタンタル。
タンタルは頷くと、俺に呪文を唱えた。
タンタルは魔法使いと僧侶の経験があり、それぞれレベル20までの呪文を覚えていた。
この絶望的な状況を打破する呪文があるのか?
「バシルーラ」
「ウオー」
俺は叫び声を上げながら、上空へと飛ばされていく。
気がつくと、とある城門の前にいた。
懐かしい場所だ。
俺の故郷アリアハンだった。
「バシルーラは追放呪文だから、効果があったのか?」
ゲームの中で、魔王バラモスがバシルーラを使用していたことを思い出す。
「まさか、こんな脱出方法があるとは」
俺は、タンタルの機転に感心して他の仲間の帰還を待つ。
テルルはすぐに俺に追いついていた。
「遅いわね」
セレンとタンタルがまだ戻らない。
ラダトームまでルーラで移動して2人を迎えに行くかと考えていると、セレンがこちらに飛んできた。
「テルル、アーベル」
「どうした、セレン?」
セレンは到着するとすぐ、俺とテルルに抱きつくと、膝をくずした。
「タンタルさんが、タンタルさ
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