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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第58話 そして、襲撃へ・・・
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がる城の入り口で、魔法の玉の効果を確認しながら、大魔王の登場を待ちかまえていた。
魔法の玉は、まだいくつか残っている。

大魔王ゾーマは吹雪で魔法の玉の爆発を抑える可能性があるため、切り札には使用できないが、目くらましや戦闘補助には使用出来るだろう。


今回の計画のきっかけは、素朴な疑問が出発点であった。
「大魔王ゾーマは、あれだけ強大な力を持ちながら、なぜ人間を滅ぼすことができなかったのか?」
ゲームで遊んでいたときは、制作者の都合で済ませばよかったのだが、実際にこの世界で生活する上で、解明しなければならない切実な問題でもあった。

だがこの疑問を解決するには、大魔王ゾーマに直接尋ねるしかないのだが、できるはずもない。
ゲームで遊んでいたときの記憶を思い起こすと、疑問の解決への鍵になると考えた。

ゲームで最初に大魔王ゾーマが登場するのは、魔王バラモスを倒して、アリアハンに戻って戦勝祝いを行う時であった。
そのときに、勇者を倒さず、周辺の兵士のみを殺している。
勇者を倒さなかった理由がわからない。
世界を滅ぼすのであれば、魔王バラモスを倒すほどの存在を無視していいはずはない。

そして、去り際に残した、「やがてこの世界を闇で埋め尽くす」も、実行に移していない。
本気で実行に移すのであれば、直接上の世界に出現するか、失敗したバラモスの代わりに別のモンスターを魔王に付けて襲撃を始める必要がある。
なのに、そんなことをしていない。
なぜか。

大魔王ゾーマは俺達人間の苦しみが、自分にとっての喜びだと、ゲームの中では話していた。
この言葉は、大魔王ゾーマの嗜虐性を表すものだが、俺は疑問におもっていた。
「世界を滅ぼすことが優先ではないのかね?」と。

そこで俺は一つの仮説を思いついた。
大魔王ゾーマの力の源は闇の力。
闇の力は、人間の絶望を糧にするのではないのかと。

人間の絶望を闇の力とするのであれば、人間を全て滅ぼす訳にはいかない。
逆に力を集めるには、ある程度人間を増やした方が良いのだと。
そう考えると、ゾーマの城がラダドームのすぐ近くに存在する理由も頷ける。
大勢の人間から、すぐに力を吸い取ることができるから。

俺は、仮説を元に今回の作戦を組み立てた。
絶望の象徴であるゾーマ城が崩壊した姿を見たらラダドームの住民はどう思うだろうか。
住民達は希望を持ち、闇の力が減少するはずである。
大魔王ゾーマがそれを喜ばないとすれば、どうするか。
ゾーマの城を破壊できる希望の象徴である俺達を、そのままにするはずはない。

俺は、崩れ落ちる城内に向かって大声で叫ぶ。
「俺がアーベルだ。出てこい、大魔王ゾーマよ。相手になってやる」
俺は既に魔王を倒した実績がある。
大魔王を相手にす
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