第57話 そして、最終確認へ・・・
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とっておきは、これ」
俺は、青い正8面体の石を取り出した。
青い石は神秘的な光をはなっている。
「これは、なんですか?」
「俺とソフィアが共同開発した、賢者の石の・・・」
「賢者の石!」
話の途中で、テルルが思わず声を上げる。
賢者の石とは、戦闘中に使用すると、全体回復魔法「ベホマラー」の効果を持つ石のことである。
製法については現在残されておらず、とてつもない貴重な品であった。
「話は終わっていない。これは「賢者の石のようなもの」だ」
「賢者の石のようなもの?」
セレンが首をかしげる。
「残念ながら、この「賢者の石のようなもの」は、完成品ではない」
俺は、残念そうに話す。
賢者の石の効果を再現するために、道具として使うと回復呪文「ベホイミ」の効果がある賢者の杖を解析し、改良を重ねた。
「その結果、この石を作ることができ、ベホマラーも使用出来るようになったのだが、」
「なったのだが?」
タンタルが言葉を重ねる。
「使用回数に制限がある」
「どのくらいですか?」
セレンがたずねる。
「おそらく、約30回分。ゾーマ戦でなんとか使い切る計算だ」
俺は、自信を持って答えた。
そして俺は、ゾーマ戦での戦闘戦術について説明し、翌朝の作戦決行となった。
いよいよ、明日大魔王ゾーマを打ち倒す。
俺はベッドの上で考えていた。
「何か、忘れていないか?」
心の中になにか引っかかるものがある。
だが、それが何かわからない。
「勇者オルテガは問題ない」
自分の不安を打ち消すためつぶやいた。
勇者オルテガは現在、ケガの回復のためリハビリを続けている。
だから、ゾーマの居城で何をやっても問題ない。
やがて俺は眠りについた。
翌朝、ラダドームの南ある浜辺に、俺達はいた。
目の前にある海の先に、目指すべき城があった。
ゾーマの居城である。
ゾーマの城は小島の上に存在している。
ゲームでの勇者は、イベントをこなして橋を造った。
俺達は、別の方法で島へ渡るつもりだ。
当然勇者オルテガのように、泳いで渡るという選択肢はとらない。
水着もないし。
ラダドームの住民は、毎日あの城を眺めては、不安と恐怖の日々を過ごす。
そして、その心がもたらす闇の力でゾーマは自らの力の糧としているのだ。
だが、それも今日で終わらせる。
俺達の力で。
俺は、後ろを振り返り、仲間をひとりひとり眺める。
全身を鍛え抜いた筋肉で固めた男。
しかし、その筋肉は飾りではなく、軽やかな動きで敵の急所をねらい打ちすることができるために存在する。
そして、力だけでなく精神の強さは、優しい顔の奥に秘める二つの黒い瞳が物語っている。
その隣には、闇夜に溶けるための黒衣を身に
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