第7章 終わりの始まり
第54話 そして、警告へ・・・
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りしめる。
「当然、盗難を予想して警備を厳重にしていました。しかし、俺に変装して堂々と船を乗っ取ったとの報告がありました」
俺は、手紙を皆に回した。
「ひどい!」
「悪辣だな」
「・・・」
それぞれ、批難の言葉を口にする。
「済んだことは、取り返しがつきません。バルトロ司令官、お世話になりました」
俺はバルトロに頭を下げる。
「アーベル司令官。これから、どうするのかね」
「とりあえず、ロマリアから強奪した船を捜索します。残っていればですが」
「捜索なら、我が艦隊も手伝おう」
「よろしいのですか」
「ロマリアからの要請は、犯人の討伐又は捕獲に加えて、船の回収もある」
「ありがとうございます」
「なに、ポルトガ海軍の働きをロマリアにも見せつけないとね」
バルトロは、にこやかに微笑んだ。
俺は、バルトロに感謝の言葉を再度伝えながら、これからの事を考えていた。
3姉妹が外洋に出た以上、捜索はあきらめるしかない。
タンタルからの証言により、彼女たちは、不死鳥ラーミアの復活の為にオーブの入手の計画を企てていると推測している。
オーブは6つあり、入手の順番は自由なので、上手くいけば、どれかを入手して、復活を阻止することができるかもしれない。
だが、逆にすれ違いの可能性が高くなる。
そして、俺達がオーブを入手したとしても、相手が何をしてくるかわからない。
勇者を誘拐するくらいだ。
俺達の家族を脅すことなど、何ともおもわないだろう。
結局のところ、別の手段をとるしかない。
それにしても、と思う。
3姉妹は、純粋な戦闘力だけでなく、思考においても俺を凌駕している可能性が高い。
ここまで俺達の行動が読まれた以上は、格上の相手として戦うしかないと覚悟した。
初めての強敵に対してどう戦うか、俺が目的を果たすためには、常に頭を働かせる必要があることを痛感した。
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