暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第7章 終わりの始まり
第54話 そして、警告へ・・・
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
軍は現在俺1人だ。
ポルトガから送られた船は、近衛兵総統直属の海洋研究所が管理していた。
友好国であるポルトガが、海賊等に対する海洋の安全を保証していた故、都市の再建や陸軍の増強を優先的にして海軍再建は後回しにすることができた。
だが、船の強奪によって裏目に出てしまった。


俺とバルトロは現在の状況を打破するため、作戦を練っていた。
俺が、考えているのは、5隻のうち1隻に俺が乗り3姉妹の追跡を行う。
残りの4隻が海峡での警備を続けて、俺が相手の船を発見した後に包囲する。
戦闘については、俺が空中に浮かんで、魔法の玉を投下して船を沈没させる。
3姉妹がルーラやキメラの翼で脱出する可能性があるが、船を失うことにより彼女たちの行動は大きく制限されるはずだ。

攻撃の際に勇者だけが逃げ遅れる可能性がある。
勇者は助けられたら、救助するが、出来なければあきらめて、次の勇者候補に大魔王討伐をまかせることにする。
非情かもしれないが、タンタルがかつて3姉妹から受けたことを考えると、今の勇者が無事とはとても考えることができない。
それならば、いっそ・・・。

勇者の両親にも申し訳ないが、今の俺達には他に手段が思いつかない。
セレンやテルルは俺の決断にいろいろ言いたいことがあるようだったが、最終的には黙って頷いてくれた。
しかし、やりきれない思いは残っている。
「なんとか、無事でいてくれ」
俺は、そう願いながら、作戦の準備を整えていた。


「アーベルさん」
「タンタルさん。大丈夫ですか?」
俺はタンタルのステータスシートを確認してから、返事をする。
「少し船酔いをしていますが、大丈夫です」
俺が心配そうに話しかけたのを、タンタルはさえぎって明るく話しかける。
普段の様子を取り戻したようだ。
今後の戦力になるのは、ありがたいことだ。
「ソフィアさんから至急にと預かってきました」
タンタルは、一通の手紙を手渡した。

「ありがとう、タンタルさん」
俺は、封を開けて内容を読み始めた。
「・・・。失敗したか」
「大丈夫ですか」
セレンが心配そうに声をかける。
「揺れが激しい甲板で手紙を読んだので、船酔いをしました」
「そっちの話」
俺が、苦笑すると、みんなも苦笑した。
「続きは、船室で話しましょう。バルトロ司令官もお願いします」
「わかった」
バルトロはいつもの渋い声で返事をすると、司令官室へ案内してくれた。


「申し訳ありません。作戦は失敗しました」
「どういうことです、アーベル司令官」
俺が、開口一番でみんなに謝罪すると、バルトロは理由を問いただした。
「彼女たちは、ロマリアと同じ事をしました。アリアハンで」
「もう一隻船を奪ったと」
「そうです」
俺は、悔しさで拳を握
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ