第53話 そして、別行動へ・・・
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ーラで、記憶を失ったことを覚えていますか?」
「はい」
「間違いなく、記憶を失ったのですね?」
「そうです」
「ならば、ロマリアで奪われた呪文を使用された可能性がある」
「奪われた呪文ですか」
俺は、タンタルに「わすれる」という呪文を説明した。
「でも、今の説明では、使用者だけにしか使えない呪文では?」
タンタルは、疑問点を指摘した。
「そうです。ですが、ある程度呪文を知るものならば、相手にかけることができるよう改変することができます」
「・・・」
「彼女たちならば、ロマリアで呪文を奪うことができます」
「・・・」
「勇者の誘拐であれば、計画的に行われています」
「・・・」
「誘拐するためには、勇者の情報を入手する必要があります。
そして、あなたから情報の提供を強要した可能性も高いです」
俺は、内心で後悔していた。
策を練ったつもりだったが、相手の方が上手であったようだ。
策に溺れたようだ。
「タンタルさんに、これから「おもいだす」呪文を唱えてもらって、その俺の推測が正しいのかどうか、そして、正しい場合には記憶を思い出してもらっていいですか?」
「いいですよ、俺も気になっていたところですから」
タンタルは了解した。
俺は、勇者の特殊呪文「おもいだす」を改良した、呪文を作成していた。
俺が、ロマリアで残した「わすれる」という呪文の効果を打ち消す呪文を考案していた。
それが、「おもいだす」という呪文だ。
この呪文も誰でも使用することができる。
「う、うああ!」
「大丈夫ですか、タンタルさん」
頭を抱えてうめき出し、椅子から倒れそうなタンタルを見て、俺は、タンタルに体を寄せて支えた。
呪文が失敗したのか。
自分に呪文をかけた場合は問題なかったのだが。
「大丈夫です。アーベルさん」
声はちっとも大丈夫ではなかった。
「思い出しました。全てを・・・」
「そうか」
「記憶を思い出して、叫んでしまいました」
叫んだのは呪文による副作用では無いことを確認する。
「ということは?」
「・・・。ええ、拷問をうけたようです」
「休まなくてもいいのか?」
「後で休ませていただきます。ですが、説明が優先します」
タンタルは、俺に失われた記憶を話し始めた。
「再会したのは、ドムドーラでした」
「下の世界にも行ったことがあるとは」
「どうやら、俺達の後をついてきたようです」
「そうか」
俺は、タンタルの説明を聞いていた。
「あいつらは、ドムドーラで俺が1人になった隙をねらい、俺をさらっていきました」
気がついたら、繁みのなかに連れ去られたらしい。
「盗賊である長女が、俺に変身して武器屋に侵入したようでした」
「長女の目的は?」
「よくわか
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