第52話 そして、勇者の旅立ちへ・・・
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、それぞれ実家に帰っている。
テルルはあまり父親のキセノンに逢いたく無いようだったが、俺がキセノンに渡す物があったので、しぶしぶ実家に帰っていた。
俺がキセノンに渡したものは、勇者用の装備品であった。
王様が、勇者に渡す装備は貧弱なので、キセノン商会が資金を提供し、俺が世界中から武具をそろえて、アリアハン国王に献上したのだ。
俺達の資金から勇者の装備品の費用を捻出することも出来たのだが、キセノン商会が自分の力を示す機会だといって、資金提供をしたのだ。
好意は素直に受け取ろう。
「アーベルは、うちの父さんにまた、何か吹き込んだのでしょう」
テルルは俺の話を聞いて、あきれたように言われたが、気にしないことにする。
セレンは、彼女の父親に転職の相談をしていた。
俺が、けんじゃの杖を購入したことで、自分がこのままでいいのか悩んでしまったのが原因だ。
俺は何度も、「今のままでいいから」と言ったのだが、やはり転職の決意は固いようだ。
ただ、問題はどの職業に就くかという事だった。
セレンの呪文を生かすのであれば、盗賊が一番いいのだが、既にテルルが転職している。
武闘家や戦士の職業もいいが、最大MPが半減するため、長期戦の時に苦労してしまう。回復に専念出来る職業がいた方がいいからだ。
セレンを呪文のスペシャリストとして専念させるために、遊び人を経験してから、賢者に転職する手もあるが、賢者に転職すると、成長が遅くなってしまう。
セレンの早期の成長を考えて、魔法使いに転職する手もあるが、今度は俺と職業がかぶってしまう。
それに、魔法使いはHPが少ないので、ボス戦では苦労することになる。
セレンは、蘇生呪文「ザオリク」を覚えていないため、転職はまだ先の話だが、かつて冒険者であった父親とじっくり話をしてから決めますと言っていた。
俺は、家までの帰り道、父ロイズと子どもの頃の話をしていた。
俺がアーベルに転生する前は、かなりわんぱくだったらしい。
俺が転生した日も、母親の目を抜け出し、1人で城に忍び込もうとしていたようだ。
俺が、転生してからずいぶんおとなしくなったので、逆に心配していたが、セレンやテルルと遊ぶようになって、一安心したという。
ただ、キセノン商会に入り浸っていたとき、俺が商人をめざすのかと思っていたらしい。
俺は、この世界の知識を得るために行動しただけだったが。
俺が、魔法使いを目指すと知ったとき、母親に似たのかなと思ったそうだ。
顔もどちらかといえば、母親に似ており、セレンは最初に出会ったとき、俺のことを女の子だと思ったようだ。
顔は似なかったが、声は父親に少し似ていた。
それを知ったのは、声変わりがするようになってからだ。
たまにロイズの声まねをすると、母ソフィアが勘違
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