暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第49話 そして、説得へ・・・(2)
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
テルルとキセノンとのやりとりの一部しか話さなかったことを思い出した。
あのときは、追求しなかったことをようやく思い出した。
確認のため、キセノンに追求する。
「テルルには俺に口止めをさせましたか?」
「していないよ」
「理由は?」
「話してもらったほうが、逆にいいと思ったからね」
「そうですか」
俺はキセノンの考えを理解した。
俺に責任感を持たせることで、俺と結婚させる既成事実をつくろうと画策したのだろう。

だが、俺がロマリア王に就任したことで話が変わった。
当時、ロマリアの政局が不安定な事を見抜いたキセノンは、俺とテルルとを結婚させる計画を白紙にして、別の婿候補を選定したようだ。
それが、先ほどのハリス青年だ。

彼を後継者とすべく、仕事を覚えさせていたが、俺が国難を取り除くと、再び俺の事を婿にと考え直したようだ。
だが、ハリスも才能はある。
だったら、早めに決めた方がいいだろう。
「そんなところですか」
「そんなところだ」
俺の質問にキセノンは苦笑しながら答えた。

「まあ、俺があなたの立場なら同じ事を思いつくでしょう」
「じゃあ、どうするのかね。アーベル」
私の期待に応えてくれるのかと、目は訴えている。
「俺の旅は、まだ終わっていません」
俺は自分の考えを伝える。
「俺が無事に帰ったら、テルルに選ばせればいいのでは」
「いいのか、それで?」
キセノンは驚き、俺に確認を求める。

「俺を選ぶとは思いませんが、選んでもらえるなら光栄ですね」
前の世界でも、市のイベントでゆるキャラの着ぐるみを着たときを除いて、もてた試しがなかったし、事実30過ぎても独身だった。
だったら、年頃になり、日々美しくなるテルルと結婚しても、俺は困ることはない。
問題は、テルルの気持ちだが。

俺は、テルルに秘密を打ち明ける必要がある。
テルルの知らない俺という部分を見て本当にそれでも構わないのか。
俺がテルルの立場であれば、「ひどい」という言葉ではすまないだろう。
俺は思わずため息をついた。

「うーむ、テルルもまんざらではない感じだぞ」
「普段の会話では、全然そう思いませんが」
「どうやら、君は鈍いかもしれないね」
キセノンは苦笑する。
「テルルに話しておこうか」
「パーティの連携が悪くならない程度ならかまいません」

そんな事で死亡フラグを立てるわけにはいかない。
「わかっている。娘を未亡人にさせるつもりはない」
「気が早いです」
「そうだな」


「ところで、勇者の件で質問ですが」
俺は話題を変えた。
「どうした。気になることでもあるのか?」
「随行のメンバーは俺達で問題ないですね」
「魔王を倒したメンバーを外すわけがないだろう」
「反対派はいないと?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ