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ラインの黄金
第一幕その三
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第一幕その三

「二人に振られただけでしょ。私もいるわ」
「優しい歌だ」
 フロースヒルデの言葉を聞いてまた意気を取り戻したアルベリッヒだった。
「一人ではなく本当によかった。何人かいれば」
「いれば?」
「誰かから好いてもらえるからな」
「ヴォークリンデもヴェルグンデもわかっていないわ」
 フロースヒルデは楽しそうに笑いながら述べる。
「この人のよさがわからないなんて」
「あんたはそう言ってくれるのだな」
「ええ」
 にこやかに微笑んでの言葉だった。
「そうよ。貴方のお声もね」
「わしの声もか」
「そう。その烏みたいな声」
 彼女もまた嘲る言葉を出してきたのだった。
「それに刺すような眼差しに針みたいな髭。癖の悪いごわごわとした髪に屈んだ姿勢、そういったもののよさがわからないなんて本当におかしいわ」
「何っ、御前もか」
「あら、怒ったのね」
 彼女もまた笑って上に戻るのだった。
「怒る必要なんてないのに」
「何故そんなことを言うのだっ」
「本当のことだからよ」
 アルベリッヒを見下ろしながらの言葉だった。
「本当だからね」
「おのれ、よくもよくも」
 怒った言葉で三人に言うのだった。
「三人でわしを馬鹿にするのか」
「アルプさん、よくわかることね」
「あんた自身のことを」
 今度は三人で彼に言ってきたのだった。
「私達がどうしてあんたに声をかけるというの?」
「醜いアルプのあんたを」
「わしの醜さを言うのか」
「だから自分を見たら?」
「そうよ」
 また言う三人だった。
「悔しかったら私達を捕まえてみせなさい」
「私達をね」
「もうそんなことはせん」 
 怒りに満ちた声で告げるのだった。
「御前達は許さん、何があってもな」
「あら、そえでどうすうrの?」
「私達を」
「見ておれ」
 からかわれた怒りで三人を見据える。しかしここで。その彼の目に黄金の輝きが入った。彼の前の川底の岩の頂上から出ている輝きだった。
「あの光は」
「見て二人共」
 ヴォークリンデが他の二人に声をかけてきた。
「ラインの黄金が輝いているわ」
「そうね。輝いているわ」
「奇麗に」
 こう言う合う乙女達だった。
「あの光があるからこそ私達も」
「ここにいられるのだわ」
「穏やかな平和も守られるのよ」
「何だその光は」
 アルベリッヒはその光を見て言った。
「あの光は。何だ」
「あら、ニーベルハイムであれは知られていないの?」
「あの光を」
「あんな光はわし等の世界にはない」
 こう言うのだった。
「只の黄金の光ではないな。あれは一体」
「ラインの黄金よ」
「知らないのなら教えてあげるわ」
 ここでもからかうような言葉であった。
「ちゃんとね。ここで
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