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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第48話 そして、説得へ・・・(1)
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「どうした、テルル?」
「話があるの、聞いてくれる」
「わかった」
俺達は再びテーブルに着いた。


「さっきは、上手くだましたわね、アーベル」
「何をだい、テルル?」
俺は隠し事がばれたかと、思わず緊張する。
「私たちに、考えさせることが大事だといって、追求をごまかしたでしょう?」
「ごまかしてはいないさ」
追求をかわすことが出来たら、幸運とは思っていたが。

「それよりも、なんだ相談とは」
「この前の話なのだけど」
「誤解を生まないように、具体的に切り出して欲しいのだが」
俺は落ち着いて、答える。
「転職の話よ」
「転職か、決めたのか」
「決めたのだけど、自信が無くて」
「自信が無いというのはどういうことだ?」
普通、決めたのなら自信が無いというのはおかしい。

しかも、転職を迷っているようでもないらしい。
俺は、テルルに話の続きを促す。
「実は、盗賊に転職しようかと思っているの」
「盗賊か、どうしてだい?」
俺は理由を質問する。

「盗賊になれば、アイテムの収集効率が上がるから」
テルルは、先日のピラミッドの捜索をしながら考えたようだ。
確かに、盗賊になれば、戦闘中にモンスターからお宝を奪うことが出来る。
しかも、レベルが上がれば上がるほど確率も上昇する。

戦闘能力としても、盗賊の方が商人を上回る。
特に素早さの上昇が高いため、素早さが防御力に影響を及ぼすドラクエ3では、盗賊の有用性は非常に高いのだ。
実際、俺がゲームで遊び尽くしたときは、全ての呪文を覚えた盗賊と賢者を中心としたメンバーでステータスが上昇する各種の種をかき集めていた。

さすがに、この世界ではそこまで、やり込むつもりは無かったが、種集めは出来るだけ行うつもりだった。

なぜならば、俺が魔法使いであり、HPに自信が無いからだ。
先日レベルが30に上がったが、HPは130に届いていない。
レベル23の武闘家であるタンタルの半分しかない。

先日のバラモス討伐のような戦い方が出来るのならHPなど関係ないが、あの戦いは屋外であり遠慮無く魔法の玉が使用できたこと、屋外でも空からの攻撃が無かったこと、氷のブレスが無かったこと、敵に魔法効果を消し去る「いてつくはどう」を使用されなかったこと等、数多くの好条件が重なった事による。
これから倒すべき相手大魔王ゾーマには、同じ戦術は使えない。

どうやら、俺の考えを見抜いたようで、テルルは俺を手伝うため、盗賊への転職を考えてくれたのだ。
俺は、テルルの転職の話には反対するつもりはない。
こちらからお願いしたいところである。
だが、逆に質問があった。
俺に何を相談するというのだ。

「決まっているじゃない」
テルルはお願いのまなざしを俺に向ける
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