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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第48話 そして、説得へ・・・(1)
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は難しい。
だから、ジンクの師匠はすごいのだ。

「まさか、お前の師匠の仕業か?」
「それはありえません」
「なぜだ」
「師匠は結婚相手に夢中で、わざわざロマリア王宮に侵入することはありえません」
俺は、先日見たメイド服姿の女性を思い浮かべると納得した。

「それ以外の冒険者となると、多くはいないはずだが」
「冒険者ギルドに調査をお願いした方が、よろしいかと思います」
「そうだな。ところで、ジンク」
俺は頷くと、別の質問をする。
「子どもは出来そうかい?」
「・・・。お互いがんばってはいるのですが」
ジンクは少し恥ずかしそうに俯いて答える。
一緒に冒険したときには見せない表情だ。
王妃役も板に付いたか。
「急げとはいわないが、産まれてくれないと、俺がまた王位争いに巻き込まれる」
「そうですね」
ジンクは悪戯っぽい顔で答える。
「たのむから、勘弁してくれ」
「帰りますか」
「久しぶりなので、いろいろ挨拶をせねばなるまい」
俺の前の王や四大貴族などお世話になった人たちに顔を出さねばならない。
退位してから月日が経過したので、相手も落ち着いているだろう。


俺は、部屋を出ると警備兵に声をかけられた。
「よう、アーベル」
近衛兵総統デキウスだった。
「・・・。近衛兵の総統が、なぜ警備をしていますか?」
「俺が命令した。文句はあるまい」
「・・・。警備をがんばってください」
「おい、ラルフ」
デキウスは近くを歩いた近衛兵に声をかける。
「総統閣下。ご用でしょうか」
「あとをまかせた」
「はっ!」
デキウスの警備はおわったようだ。
「アーベル。せっかくだから、訓練につきあえ!」
俺はデキウスに、肩をつかまれた。
「もう、ロマリア国民ではありませんから」
「ごちゃごちゃ、うるさい!」
デキウスは俺を脇にかかえると、そのまま訓練場に投げ込まれた。



「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・と、いうわけで、帰るのが朝になったのだよ」
俺は、3人に朝帰りの理由を説明した。
「わかったわ、アーベル」
「うたがって、ごめんなさい。アーベル」
「デキウス総統とそこまで親しいとは、さすがアーベルさんです」
3人には何とか、納得してもらった。

「それでは、気をとりなおして、第3回キメラの翼検討会です」
俺は、やけくそ気味に声を張り上げる。
「テルルさん。どうぞ〜」
「恥ずかしいからやめなさい」
テルルに注意された。

「私は、両方あると思っています」
テルルが説明を開始した。
「両方?」
「どういうこと?」
「キメラからキメラの翼が出来る一方で、それとは別にキメラから作ったものと同じ効果を持つアイテムを別に作っていると思います」
「なるほど
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