第43話 そして、どっちへ・・・
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「やっぱりアーベルは、ベリーダンスが好きなのね」
「やっぱりとは、何だ。やっぱりとは」
「昼間の練習の時から通い詰めるのは、好きな証拠でしょう」
「だから、情報収集の為だって」
「まあ、信じてあげるわ」
俺は、アッサラームでテルルから尋問を受けていた。
どうやら、俺がベリーダンスを行う旅芸人の一団と話をすることに不満があるようだ。
ちなみに、先日バハラタへ通じる洞窟で、崖崩れがあったらしい。
親しくなった団員から聞いた話だ。
ちなみに親しくなった団員は、団内の経理などを行っている女性だ。
俺が親しくいている相手が、踊り子では無いことを聞いたテルルは、尋問の手を緩めていた。、
俺は、経理を担当しているエリカさんと昼食を取りながら話をしていた。
エリカさんは、昼間は比較的暇にしていた。
作業に手慣れていたことと、業務が忙しくなるのが、ステージが始まる夕方からのため、この時間帯は手持ちぶさたにしている。
エリカは、昼間に団に尋ねてくるのは、業者の人か踊り子を見学に来た人がほとんどで、自分を目当てに来る人はあなたぐらいしか、いませんからと笑っていた。
「目当てですか?」
「違うのですか。食事を誘ってくれたのは、アーベルさんが初めてですが」
頬を膨らませて、エリカさんが答える。
なかなかかわいらしい表情だ。
「本当ですか、俺はエリカさんの方が魅力的だと思いますが」
「お世辞を言っても、なにも出ませんよ」
「俺はお世辞など言いませんよ」
「そう、ありがとう」
何とか、会話を続けることが出来た。
さて、これからが本題だ。
「そういえば、レナさんが失踪したと聞きましたが、大丈夫ですか?」
「・・・」
エリカさんは急に押し黙ってしまった。
「変なことを聞きましたか?」
「・・・。あなたも、レナが目当てなのね!」
エリカさんは、俺に向かって憎悪の目を向ける。
「あんな女、いなくなればいいのよ。私のリックを奪った上に、こんどは」
いけない、落ち着かせなければ。
手に持った食事用のナイフで襲われるかもしれない。
「落ち着いて、エリカさん」
「・・・」
「俺は、レナさんの事などどうでもいいのです」
「嘘よ!」
「俺は、レナさんが失踪したことで経営に問題が発生したかどうかを心配したのです」
「ほ、本当?」
ようやくエリカさんは俺の話を聞いてくれた。
「ええ、本当です。エリカさんが仕事で困っているのではないか、心配したのです」
「ごめんなさい、アーベルさん」
「こちらこそ、ごめんなさい。誤解を招く言い方をして」
俺は、今日はこれ以上話を続けるのはあきらめることにした。
「冷めないうちに食べましょう」
俺達は、町中を散歩していた。
一緒に散歩していたエリカは、自分の
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