第43話 そして、どっちへ・・・
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ルは不満そうにぼやく。
「運が良かっただけですよ」
俺がゲームで得た知識が無ければ、地下にある世界のことなどわからないし、大魔王討伐など考えもしなかったはずだ。
「ところでアーベルさん、次はどちらに向かいますか?」
タンタルは、俺に方針を尋ねた。
今の段階で地下世界に行く方法は2種類あった。
一つめはジパングで、俺達が発見した洞窟を抜ける方法がある。
行き先としては、マイラの村付近に到着できるはずだ。
二つめは、アッサラームとバハラタをつないでいた洞窟にある井戸から侵入する方法だ。
こちらは、ドムドーラの町に繋がっているはずだ。
さすがに、俺が地下世界の情報を知りすぎている事がばれると問題となる。
そのため、俺は、どちらに行くべきかまでは話が出来なかった。
「どっちといわれても、行き先の情報がわからないとね」
テルルはぼやく。
他の2人は黙っていたが、気持ちとしてはテルルと同じようだった。
「では、俺の意見を言います」
俺の意見はたぶん採用されるだろう。
俺達は、ダーマ神殿の北にあるガルナの塔に到着していた。
経験値を稼ぎ、戦力を強化するためだ。
下の世界で冒険するためには必要な行動だ。
ちなみに、下の世界はどちらを選ぶのかといわれたら、両方と答えるしかない。
大魔王ゾーマを倒すためには、下の世界にある、強力な武器防具の調達は欠かせないからだ。
それぞれ、たどり着く町で売っているものが違っているのだ。
俺は、意識を目の前の塔に戻すと、ぼやいた。
「この塔は、あれがあるから嫌なのだけどね」
「アーベル、我慢しなさい」
「まあ、覚悟はしていますが」
「アーベルさん。あれってなんですか?」
タンタルの質問に俺は首をすくめて答える。
「もうすぐ、わかりますよ」
「アーベルさん。あれを渡るのですか?」
「そうですよ」
「無理です」
「他のルートはないの、アーベル?」
「ありません」
目の前には、一本のロープがあった。
「皆さん、がんばって渡ってください」
「アーベルは、平気なの?」
「卑怯よアーベル。自分だけ呪文で空を飛ぶつもりね!」
テルルは俺の考えを見抜くと騒ぎ出す。
「セレン、アーベルにマホトーンを」
テルルはセレンに指示を出す。
マホトーンとは、相手の呪文を封じる呪文だ。
「待ってくれ、テルル。この呪文はみんなの為に使うのだ」
俺は慌てて、抗議の声を上げる。
「どういうこと?」
「俺は、みんなが落ちないように、サポートをするつもりだ」
俺は、テルルの手を取ると、ロープの方へ歩き出す。
「ちょっ、ちょっとまってよ、アーベル」
「大丈夫だよ、ほら」
俺は、飛翔呪文トベルーラを完璧に使いこなしている。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ