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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第42話 そして、ジパングへ・・・
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はない。
問題なのは、敵が使う呪文にあった。
「メダパニはやっかいだな」
俺達は、きめんどうしと呼ばれる全身が顔といえるモンスターが放つ、混乱呪文「メダパニ」の対応に苦慮していた。

今回は、セレンが混乱したので助かったが、俺やタンタルが混乱したら死者も出ただろう。
混乱を防ぐために、仲間を攻撃する手段はあるが、こちらの手数が減るのでさらなるメダパニ攻撃を受ける可能性がある。
「しかたない、別の場所で戦うか」
ここ以外にも、メタルスライムが出現する場所がある。
ただ、俺が酔いに弱いため敬遠していた場所であった。。
パーティ内で死者を出すことに比べたら、酔いの一つくらいは我慢しなければならない。

「どうした、セレン大丈夫か?」
セレンの様子をみると、どこか不満そうな様子だった。
「私は、大丈夫です。アーベルは、大丈夫ですか」
「ああ、大丈夫だよ」
俺は、心配されないように笑って答えたが、セレンの不満そうな顔は収まっていなかった。

「セレンさん。俺にホイミをかけてください」
「タンタルも、薬草で回復を・・・て、けがをしてないでしょうが」
「すいません」

タンタルとテルルのやりとりでようやく俺はセレンの考えがわかった気がする。
セレンの表情が少し良くなったからだ。
「セレン、俺の回復も頼む」
「アーベル、まだ薬草があるでしょう」
「テルル、今日はこれで、帰るつもりだ。それなら、ホイミのほうが助かる」
「・・・仕方ないわね、セレンお願いね」
テルルも、セレンの表情を読み取ったのか、否定はしなかった。
「ありがとう、セレンさん」
「だから、タンタルはけがをしてないでしょう!」

喜んでホイミを唱えるセレン。
タンタルを笑いながら叱るテルル。
頭をかきながら謝るタンタル。
やがて、俺達は笑いあっていた。
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