第42話 そして、ジパングへ・・・
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「ようやく、ついたな」
「帰ってきましたね」
俺達は、アリアハンのルイーダの酒場で話をしていた。
「あの、アーベルさん?」
「タンタルさん。どうしましたか」
「ジパングには行かないのですか?」
「もう、行きましたよ」
「ルーラの登録しかしていませんけど。用事はないのですか?」
「ああ、明日ルーラで行くつもりですから」
俺は、皆の前で話をした。
「今回は一度、船を置くためにアリアハンに戻った」
俺達は、基本的に船をアリアハンに置いている。
理由は、アリアハンがポルトガの造船技術を学ぶためである。
俺は、船体を守る特殊な金属の話をしたのだが、アリアハンは自前で船を造るのだといって、俺の助言を否定した。
せいぜい、がんばって欲しい。
それとは別に、俺はジパングでの探索で必要なものをここで入手する必要があった。
「明日は、いろいろと捜索をするつもりだから、早めに休むぞ」
「はい」
「残念ね」
「わかりました」
テルルだけは残念がったが、他の2人は俺の意見に賛成している。
セレンは、人によく話しかけられることを嫌っていたし、タンタルは3姉妹を恐れて常に周囲に気を配っているからだ。
俺が、会計を済ませるとそれぞれ家で休んだ。
タンタルは宿屋にとまった。
「どうやら、ここらへんが怪しいな」
俺は、地図を頼りに目的地に到着すると、みんなに話しかける。
「このあたりに、隠された地下への入り口があると思う」
「そうなの?」
「たぶんだが」
「怪しいわね」
「とにかく手伝ってくれ」
「はーい」
「わかりました」
「探してみます」
しばらくすると、目的のものが見つかった。
「みんな、集まってくれ」
俺は、目の前にある岩の前にみんなを集めた。
「ここに、何があるの?」
「地下への入り口さ」
「地下ですか?」
正確には地下世界への入り口といったほうがいいのかもしれない。
俺は、岩の奥と地面と間にあるわずかな隙間を示した。
真っ暗で何もみえない。
「それでは、と」
俺はジンクから教わったイオナズン(室内用改め、観賞用)を唱えた。
俺はまだイオナズンを覚えていないため、イオラ(観賞用)になるが。
光が、隙間の先にある景色を指し示す。
「洞窟?」
「たぶん、そうだろうね」
俺は、頷いた。
ゲームではジパングの住人が、難を逃れるため、下の世界のマイラに住んでいた。
冒険者でもない人たちが逃げ出すことができたことから、ジパングのすぐ近くに地下世界への入り口が存在することを予測していた。
そして、入り口の位置については、ある程度予想をたてていた。
死者の国とこの世界とをつなぐ入り口。
黄泉比良坂。
元の世界では島根県東部
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