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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第40話 そして、師匠と呼ばれる男へ・・・
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世界最強の魔法使いは誰か?
この世界で、この質問をしても、多くの人は「わからない」と答えるだろう。
何故か?

多くの魔法使いは、呪文を覚えると、他の職業に転職してしまうからだ。
回復系呪文を極めるため、僧侶になる人。
戦闘力を高めるために、戦士や武闘家になる人。
汎用性の高い賢者や、盗賊を目指す人。

一方で、世界で最も有名な魔法使いといえば、俺の母親であるソフィアだったりする。
彼女が作成した解説書「魔法解析学」により、魔法の仕組みが解明され、新しい呪文が生まれるきっかけとなった。
とはいえ、これまでの呪文も汎用性が高いため、あまり革新的な開発が進んではいないのであるが、土木工事等、今後の平和利用の為の基礎理論は確立しつつある。

それだけ重要な「魔法解析学」であるが、実はソフィアの発見した内容ではない。
「魔法解析学」は、ソフィアとジンクの師匠が体系化したものを、ソフィアが本にまとめたのである。
彼は、108種類のイオナズンを使いこなし、左右別々の呪文を放つことが出来るなど、その洗練した詠唱法を知る魔法使い達にとって、彼のもとで修行することを望まぬものはいなかった。

だが、彼の弟子になるための条件は非常に厳しかった。
その条件とは「巨乳で美人」であった。
ソフィアの場合は、ソフィアが買い物をしていたところ、師匠に呼び止められ、師匠が土下座をして弟子になってくれと頼んだという。

ジンクの場合は、モシャスで知り合いの女の子に変身してから、弟子入りを認めてもらったらしい。
師匠からはあとで、「お前が男だったら即座に殺していたぞ」と言われたそうだ。


今回俺は、師匠と呼ばれるひとに会いに行こうと考えていた。
俺は、別に弟子入りをするつもりで来たわけではない。
確認したいことがあるからだ。

ジンクに師匠の居場所を尋ねたら、ジンクはしばらく考えたあと、
「私からは、教えることはできません。ソフィアさんに尋ねてください」
と言われた。
「着ぐるみでここまで来るのは、恥ずかしかったのだぞ」
と文句を言っても、
「だったら、レムオルを覚えてから来てください」
と笑って答えるだけだった。

王妃自ら、透明になって侵入してこいと言うのは問題があるぞ。
王様からも、何か言ってくれ。
「アーベル、久しぶりに王様にならないか?」
と言われた。
「勘弁してくれ」
俺は、すぐに退散した。


「どうしたの、急に?」
「確認したいことがあってね」
「わかったわ、アーベル」
ソフィアは、簡単に許してくれた。
「ただし、セレンとは一緒に会いに行かないこと」
「・・・。わかったよ、かあさん」
テルルは大丈夫なのか。
テルルもそれなりに、・・・。
俺の考えを読み取ったのか、ソフィア
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