第40話 そして、師匠と呼ばれる男へ・・・
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は答えた。
「ふたりには、この話は内緒よ」
「・・・。わかったよ、かあさん」
俺は、とある家の前に立っていた。
ソフィアから聞いていた師匠の家である。
「こんな、離れたところにあるとは」
北方にある離れ小島に立っていた。
家の周りには、強力な結界が張り巡らされており、魔物は一切近づくことができないようだ。
「失礼します」
「どなたですか?」
ドアを叩くと、中から若い女性の声がする。
「ソフィアの息子の、アーベルといいます。母親がお世話になった、師匠にお話を聞きたくて会いに来ました」
「そうですか、しばらくお待ち下さい」
ドアが開くと、メイド服を身につけた女性が俺の前に現れた。
「はじめまして、アーベルさんですね?」
「はい、そうです」
この人は、師匠と呼ばれた人の弟子だろうか。
すくなくとも容姿は、ジンクから聞いた弟子の条件に合致している。
「お呼びしますので、しばらくお待ち下さい」
「かしこまりました」
目の前に、少し小太りしたおじさんが現れた。
「またせたかの」
「いえ、こちらが勝手に尋ねたものですから」
30分ほど待たされたが、文句は言わない。
「電話でもあれば、事前に都合を確認することもできたのですが」
「でんわ?」
男は俺に問い返す。
「なんでもありません」
俺は平然と答えると、質問を始める。
「この世界について、教えていただけたらとおもいまして」
「この世界じゃと?」
「船をお持ちなら、ご存じだと思いますが」
俺は、持ってきた世界地図を広げる。
「東の端からそのまま進むと、西の端にでます。一方で、北の端からそのまま進むと、南の端にでます」
「・・・」
「ある人は、この世界が丸いからと言って、世界の果てに追放されたそうです」
「俺の考えでは、この世界は球形だとはおもいません」
「・・・」
「おそらく、このような形になるでしょう」
俺は、手に持った世界地図の表を上向きにしながら、右端と左端をつなげて、円筒状にする。
これで、東の端から西の端につながった。
俺は次に、円筒状にした地図を折り曲げて、上端と下端とをあわせる。
紙の地図なので、しわができるが、イメージとしてはドーナツの形状となった。
「いかがですか?」
「・・・。理屈の上では正しそうだが、なんともいえん」
男は、一言だけつぶやいた。
「俺も、そう思いますよ。なにしろ、神が作った世界ですから」
「そうだな」
とりあえず、今日の目的は果たした。
「それでは、これで失礼します」
「そうか、ちょっと待ってくれ」
男は、奥の部屋にはいると、しばらくしてから再び姿を現した。
「ソフィアによろしく伝えてくれ」
「お伝えします」
「あとは、おぬしに忠告しておこう」
「
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