第38話 そして、ダーマへ・・・
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さて、話を聞きましょうか」
俺達は、神殿の2階にある宿屋の前にいた。
ここには、会話をするために用意された椅子とテーブルがあり、軽食を取りながら雑談をすることができる。
俺達は、目の前で食事をしている武闘家の男を観察していた。
男は、鶏肉のような食べ物をお代わりしていた。
「俺の名前は、アーベル」
「テルルよ」
「セレンです」
「タンタルだ」
男は食事に満足したらしく、俺達の質問に答えた。
「まずはお礼をいわせてもらう。食事をありがとう」
「礼はいいから、話を聞かせてください」
俺は、タンタルと名乗った男に話を続けさせる。
俺は最初、俺のことを前のロマリア王であることを知っているのかと思った。
この神殿で俺のことをロマリア王だと知っているのは、セレンとテルルだけのようだった。
とはいえ、油断は禁物だ。
目の前の男は、知らない振りをしているだけかもしれない。
「俺は、昔ロマリアで戦士をしていた」
タンタルは、話を始めた。
「もう1人、友人である戦士と2人で、ロマリア周辺で経験を積んでいた。ところが、仲間だった友人は、ロマリアの近衛兵に就職したのだ」
就職したのは、俺が王になる前の話だ。
ひょっとしたら、知っている奴かもしれない。
「1人になった俺は、仲間を見つけるため、ロマリアの酒場で探していた。
そこで、悲劇がはじまったのだ」
タンタルは頭を抱えた。
「俺は酒場にいた、武闘家の女に声をかけた」
「女は、俺の誘いを了解すると、すぐに酒場を出て行った。人気のないところへ連れて行かれた俺は、ラリホーで眠らされた」
眠らされたことに気付いたのは、相当後になってからだとため息をついて話す。
「目を覚ますと、目の前に武闘家2人と、1人の盗賊が目の前にいた。
後で聞いたら、彼女達は3姉妹で、冒険の仲間を捜していたという」
タンタルは3人の目的にまったく気付くことが出来なかったと、後悔した様子で話した。
「俺が目を覚ますと、見知らぬ塔にいて、いつの間にか、周囲に見たことのないモンスターが現れた
彼女たちは悲鳴をあげるだけで、戦う意志が全くなかった。
俺は勇気を出して、1人だけで戦った」
彼女たちの行動は全て演技だったのだけどね、とタンタルはぼやいていた。
「敵のモンスターは強力で、油断していた俺はあっけなく殺された。
このときは、俺達のパーティは全滅したと思っていた」
タンタルは頭を抱えた。
「本当の地獄のはじまりはこれからだった」
「彼女たちは、俺をザオリクで生き返らせると、再び戦いを見守っていた。
そのため、攻撃をするのは俺だけで、他の3人は防御か自分の回復しかしなかった。
ようやくモンスターを倒したのは、7回死んだあとだった」
タンタルは絞り
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