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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第37話 そして、スーの村へ・・・
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ン」
俺は、セレンから急に話しかけられて、驚いて反応する。
大丈夫だ、ばれていないはずだ。
俺は、平静をよそおいながら、セレンに話を続けさせる。

「相談したいことがあります」



「座りましょうか」
「そうだな」
俺とセレンは、スーの村はずれにいた。

テルルは、武器屋を見てくるといって、1人で出て行った。
スーの村はのどかだ。
1人で行動しても問題はないだろう。

俺とセレンは、柵の付近に腰掛けた。
セレンはさっそく、カチューシャを付けていた。
水色の髪の毛に、銀色の装飾品はなじまないかと危惧していたが、カチューシャのデザインが控えめなことから、落ち着いた感じのセレンには良く似合っていた。

「なんだい、改まって相談というのは?」
しばらく待ってから、俺は優しく声をかける。

俺はセレンがいて大変感謝をしている。
このパーティで唯一の回復役。
そして、冒険者でもっとも重宝されながら、人数が少ないため、競争率の高い職業でもある。
俺が王になったことから、セレンは1年間活動を休止していた。
その間に、多くの冒険者からパーティへの参加を呼びかけられたという。
多くの冒険者達は、セレンに癒されたいとか、マスコット役としておいておきたいとか理解不能な理由で誘っていた。
特に僧侶男の3人パーティから誘いがあったことを聞いたときは、冒険者ギルドの幹部になってパーティ編成システムを変えてやる!と、思わず息巻いたものだ。
実行に移すつもりはないが。

当然、純粋に戦力強化のため、誘われたこともあったそうだ。
女性ばかりのパーティからも声がかかったことがあったらしい。
本来なら、他のパーティに移ってもおかしくなかった。

だから俺は、なるべくセレンの期待に応えたいと考えていた。
「遠慮しないでいってくれ」
「・・・、魔法を覚えない僧侶なんて、いらないですよね」
セレンは目に涙をためて、俺に訴えた。

「どういうことだ?」
俺は意味が理解できず、さらに問いかける。
「私、わたし、もう呪文を覚えないかもしれない」
目を大きくして、俺に向かってうるうると訴える姿は、非常に保護欲をかき立てられる。

だが、俺はあわてて周辺を見渡す。
あたりにはだれもいない。
俺は少し安心した。
誰かに今の俺達の姿を見られたら、俺は殺されるかもれない。
「セレンを救うために、俺を殺した」と言えば、無罪を勝ち取ることができるだろう。
残念ながら俺を保護してくれる存在は何処にもない。
・・・、いかん。冷静にならなくては。

俺は、努めて冷静にセレンの話を聞いていた。
セレンが泣きながら話す内容はこうだった。

自分はレベル18になったが、レベル18で習得出来る呪文「ルカナン」を覚えること
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