第37話 そして、スーの村へ・・・
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、二人して髪飾りをああでもない、こうでもないと位置決めをしていた。
「どう、似合うかしら?」
「うん、思っていた以上によく似合っているよ」
「そ、そう」
「ありがとう。アーベル」
2人とも、顔を真っ赤にして喜んでいる。
気に入ってもらってよかったと、俺も喜んでいた。
あとで、ジンクにもお礼を言わないといけないな。
「女の子が、剣をもらって喜ぶと思いますか?」
「攻撃力が高くなれば、早く戦闘が終わるから、けがが減って喜ぶかと」
「・・・。重症ですね、これは」
ジンクは大きなため息をついた。
俺とジンクは、サマンオサの宿屋で話をしていた。
俺は、僧侶と商人にとって最高クラスの武器をプレゼントしたにもかかわらず、セレンとテルルが喜ぶどころか、残念がった理由をジンクに質問していた。
どうやら、俺と女性陣との間では装備品に関して、意見の相違があったようだ。
「そうではありません。アーベル」
「何が違うのだ?」
「プレゼントの意味についての見解の相違ですよ」
「プレゼントの意味?」
俺は首をかしげる。
せっかくの大金を手に入れたのだ、パーティの戦力強化にお金をつぎ込むのは問題ないはずだ。
大金を持っていても、全滅しては意味がない。
所持金の半分を持って行かれるし。
「普通に生活する女の子が、プレゼントといわれて何を期待しますか」
「・・・。そういうことか、わかったよジンク」
「ようやくわかってくれましたか。これでもわからなければ、これを使うところでした」
そういって、ジンクは杖をとりだす。
「理力の杖か」
「あなたには、魔法が通用しませんからね。物理攻撃で殴るしかありません」
俺はため息をついた。
一対一の戦いなら、回復魔法を使えない俺の方が圧倒的に不利だ。
俺が話を理解したことにほっとして、ジンクは話を続ける。
「私が、よいお店を紹介しますので、3人で行ってみてください」
そういって、注意事項とともにスーの村の道具屋を教えてもらった。
「どうしたの、アーベル?」
「なんでもないよ」
「ならいいけど」
俺は、テルルに返事をすると、注意事項を思い出していた。
「ひとつめは、私が紹介したことを決して話さないこと」
俺はジンクに理由を聞こうと思ったが、何故か自分の命の危機を感じて取りやめた。
「ふたつめは、銀のかみかざりよりもとんがり帽子のほうが防御力が高いからといって、セレンさんにあげないという選択を選ばないことです」
ジンクは急に真剣な顔をすると、俺の顔に近づいた。
「さもないと、セレンさんのザキの練習台になりますよ」
それだけは、勘弁して欲しい。
俺は、理由がわからないままコクコクと頷いていた。
「アーベル?」
「ど、どうした、セレ
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