第36話 そして、結婚へ・・・
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、目のやり場に困る危険な呪文だ。
さすがに、今日は自重したようでほっとしている。
それにしても、すてきな衣装だ。
セレンやテルルも花嫁衣装をみにつけたら、こんな感じになるのかな。
「そう思うだろう。セレン、テルル?」
俺は、振り向いて2人に声をかけようとして驚く。
「・・・」
「・・・」
2人とも石になったように動かない。
「どうした。ふたりとも?」
ジンクの美しさに見とれたのか?
それとも、普段着との違いにとまどったのか。
「アーベルさん」
「お話があります」
「どうした、ふたりとも?あらたまった言葉遣いをして」
俺の質問には答えず、2人は俺の両腕をつかまえると、ずるずると近くの個室までひきづっていった。
「何をする!ジンクとの話は済んでないぞ!」
ジンクは微笑んで、俺に手を振っていた。
「アーベルさん!」
「なにから、話を聞こうかしら?」
俺は、個室で2人に迫られていた。
刑事ドラマにある、取調室で尋問を受けている感じだ。
テルルが尋問の担当らしい。
「あなたは、いつからジンクが女性だと知っていたの?」
「初めてあったときからだが」
王宮で初めて会ったときは、ドレスを纏い、きちんと化粧をしていたからすぐに気がついた。
その後は、ゆったりとしたマントを羽織い、ズボンをはいていたので誰も気付かなかったようだ。
「なら、どうしてジンクと一緒の部屋に泊まるのよ!」
「俺が望んだ訳じゃない。部屋割りの権限は男である俺にはない」
「!」
テルルとセレンは今日まで、ジンクが女性とは気付かなかったらしい。
「どうして、教えてくれなかったのよ!」
「知っていると思ったからさ」
俺は本当に思っていたことを口にする。
「・・・」
だんだんと、テルルの追求の声が小さくなっていった。
「最後に確認したいの」
「なんだい」
俺は質問内容を予想していた。
「ジンクとは、何もないよね?」
「当たり前だろ、将来の王様の后となる女性に手を出すわけがない」
俺はため息をついて、部屋をでた。
「さあ、もうすぐ結婚式がはじまるぞ。見ないと後悔するぞ」
「まって」
「待ちなさい、アーベル」
セレンとテルルは俺のあとについてきた。
ロマリア王と王妃ジンクとの結婚式は、すばらしかった。
母ソフィアの勧めたとおり、自分が王位についたときに結婚式をしなかったことを、少しだけ後悔した。
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