暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第36話 そして、結婚へ・・・
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
レンはジンクの言葉に納得し、テルルは反発する。

「なんで、怒っているのかな?」
「・・・」
「本気で言っているの」
俺が質問したばっかりに、セレンとテルルの怒りの矛先がこちらに向かった。
「剣のデザインが気に入らないとか?」
俺は、おそるおそる尋ねる。
俺が買ったゾンビキラーは店で購入できる武器のうち、商人や僧侶が装備できる最高の剣だ。
多少デザインが気に入らなくても、我慢して装備して欲しい。
「だから、言ったでしょう。アーベルに期待したら駄目だって」
またジンクから同じ言葉を言われた。
「うん」
「わかった」
何が悪かったのだろう。
くやしいが、あとでジンクにでも聞いてみるか。


「すまない、ジンク」
「いえいえ、説明しなかった私が悪いのです」
俺は平身低頭して、ジンクに謝っていた。
宿で2人きりのときに聞いてみたのだが、ジンクはもうすぐ結婚するそうだ。
「忙しい時期に付き合わせて申し訳ない」
「気にしないでください。結婚したら、冒険も出来なくなりますし」
「そうだよな」
俺は、結婚相手を思い出すと、ため息をついた。
「まあ、お幸せに」
「ありがとう、アーベル」

ジンクは俺の手を握った。
「お世話になりました」
「お前らしくもないな」
「最後まで、失礼な人ですね」
ジンクは、少し泣いていた。



俺たちは久しぶりに、ロマリアに来ていた。
来たら捕まるかもと思っていたが、今の王から許可をもらっているので問題なかった。
ただし、俺は顔が知られている。
前王である俺が来たことが国民にばれると、何をされるかわからない。
ごまかす必要があった。

一応、ジンクからの報告では俺の評価は落ちていないらしい。
今の王様が、
「前の王は、同郷の勇者と一緒に、魔王バラモスを倒す準備をしているのだ」
と広報していたからだ。
国民からは、既に一度魔王を倒したと思われているため、それならば彼に任せようと俺を応援しているようだ。

まあ、あまり前王を否定すると、俺が考えた政策まで否定しなければならないので、問題があったのだろう。
今の王は、驚いたことに、国民に結構人気がある。
国民いわく、
「前の王より庶民的で、親しみがもてる」
ということだ。

おかしい、絶対におかしい。
庶民の俺よりも庶民的などおかしいだろう。
ジンクの話を聞いてみたら、今の王は、俺が王に就任してから毎日のように酒場や闘技場に入り浸ってみんなの話を分け隔て無く聞いていたそうだ。
「あいつ、考えがあるとは言っていたが、本当だったのか?」
「私にもわかりません」
ジンクは正直に話す。

それに、大臣を始め部下達にも人気があった。
仕事はほとんど部下に任せる代わりに、まったく口出ししない
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ