第5章 どちらかを選べといわれても、両方と答えるしかない
第35話 そして、冒険の再開へ・・・
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か」
俺は再びため息をつき、ジンクの疲れた様子を見ながら反論する。
「お前が本気をだせば、すぐここだとわかったはずだが?」
「そうですね」
ジンクは頷いた。
俺が退位したのはお昼だった。
どこかで宿を取る必要がある。
基本的に、俺たちの行動範囲はすべて、ジンクが行ったことのあるところだ。
それに俺が王様であることは、ロマリアはもちろんのことアリアハンやポルトガ、イシスも知っている。
俺は、ほとぼりが冷めるまで近づけないだろう。
となれば、残された町で食事の旨いところしか残っていない。
アッサラームの食事もうまいが、セレンとテルルはアッサラームがあまり好きではない。
となると、消去法でここにたどり着く。
ちなみにここの町は、辛さの強い鳥肉料理が名物である。
俺としては、名物ではないが、カレーみたいな味のするスープが好きだった。
お米のようなものもあるが、この町では炊飯の慣習はないため、カレーライスが食べられないのが残念でもあった。
「で、何のようだ。連れ戻しにきたのか?」
「それは出来ませんからね」
「そうだな」
俺は、退位した瞬間にアリアハンの国民に戻っているのだ。
理由無く、他国の者を勝手に捕まえるわけにはいかない。
さらに、俺が魔法反射呪文を覚えているため、魔法攻撃で俺を倒すことは出来ない。
「ならば、宴会に参加するためか?」
「したかったのですが」
ジンクは残念そうな顔をする。
「アーベルに渡すものがありますので」
「そうだったな」
俺は立ち上がると、セレンとテルルに声をかける。
「今日は楽しかった。またな」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
俺たちは、宿屋にむかった。
「これまでの代金です」
「これはすごいな」
俺は驚きの声をあげていた。
俺がジンクから受け取ったのは、「くろこしょう」でもうけたお金だ。
これだけのお金があれば、アッサラームの強欲商人の言い値で武器を買うことができる。
絶対にそんな無駄遣いはしないが。
「まどうしの杖を買ったでしょう」
「あれは、定価の2倍だったはずだ。いやまさか」
ひょっとして、定価の16倍で購入したのか?
「さすがに、そこまでバカではないですよ」
俺はほっとしていた。
念のため、出来るだけ値切れと指示をしたはずだ。
俺はジンクにお願いをした。
「ジンクよ。しばらく暇か?」
「あまり暇では、ありませんが」
「買い物につきあってほしい」
「買い物ですか」
「ふたりに、プレゼントしたいのでね。良い店を知っているのだ」
「そうですか。アーベルにしては良い心がけです」
ジンクは喜んで頷いた。
「でも、私がいないほうが良いのでは?」
「ジンクも一緒じゃなければ駄目なのだ」
ジンクは笑っ
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