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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第5章 どちらかを選べといわれても、両方と答えるしかない
第35話 そして、冒険の再開へ・・・
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レベルを上げたのに、弟子入りする必要があるのか?」
だった。


・・・、話がずれたな。
テルルは、俺と打ち合わせをするときを除いて、旅に出ることはなかった。
当然移動にはキメラの翼を使用していたので、経験値を稼ぐ機会もなかった。
俺の母親との船旅を除けば。


セレンは、家で家事の勉強をしていた。
セレンは最初、アリアハンの教会で神父の手伝いをしていた。
手伝いを始めてからしばらくすると、急に教会へ参拝する男性信者が増えだした。
セレンは理由がわからず、信者が増えたことを純粋に喜んでいたが、教会の関係者はすぐに理由を理解した。

教会の関係者はいろいろと議論をしたようであるが、結局セレンの手伝いを断った。
テルルから聞いた話では、「これまでの信者に配慮して」ということで結論をつけたらしい。
同時にテルルから聞いた話では、密かに「セレンの肖像画」とやらが高値で取引されているようだ。

・・・。アリアハンは平和だな。

俺も1枚持っているが、母親のソフィアが俺の誕生日プレゼントとして俺に送ったものだ。
決して、俺が欲しいといって頼んだわけではない。

セレンは教会の手伝いが出来なかった事を、非常に残念にしていた。
だが、神父の一言で、家で熱心に家事の勉強をするようになったそうだ。
これもテルルから聞いた話だが、「料理の上手な女性は好かれるよ」と神父にいわれたらしい。

料理については、セレンの父親が指導していた。
セレンの父親は、「モンスターを食す」という本を出版し、ベストセラーとなるほど料理の造詣が深い。
モンスターを上手く食べる発想を得るためには、料理の基本が不可欠だ。
あまり機会はなかったが、セレンの家でよばれた料理は、すべて絶品だった。

セレンは、俺と打ち合わせをするときは、いつもお菓子を持ってきてくれた。
ちなみにこの世界では王様の食事といえども、毒味役は存在しない。
ステータスシートで確認すれば済むからだ。
いざとなれば、教会で復活してもらえる。

ロマリアで俺がセレンのお菓子をおいしそうに食べるのを見ると、セレンは幸せそうな顔をしていた。
「アーベル。家に戻ったら、ごちそうするね」
「それは、楽しみだ」
何故か、一緒に話を聞いていたテルルは不満顔だ。
「テルル、心配しなくても食べるときは一緒だ」
「・・・」
何が不満なのか、俺は最後までわからなかった。

今日の宴会も、本当なら、俺の家で一緒に食べる計画も考えていたが、ひょっとしたら俺の実家にロマリアの関係者が見張っている可能性を考慮し、延期することにした。


「まあ、いずれ見つかるかもしれないが」
俺はため息をつくと、知った顔が話しかけてきた。
「いやー、さがしましたよ」
「・・・。ジンク
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