第5章 どちらかを選べといわれても、両方と答えるしかない
第35話 そして、冒険の再開へ・・・
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「冒険の再開を祝して、乾杯」
「乾杯」
「乾杯」
俺たちは、バハラタで宴会をしていた。
明日から、3人での冒険が再開するのだ。
約1年間休止していたのだ。
俺たちは浮かれていた。
俺が冒険に出られない間、セレンとテルルは冒険をしなかった。
2人での冒険は、マヒ等での全滅の確率が高くなるからだ。
テルルは、父親が経営するキセノン商会で働いていた。
娘に事業を継がせる考えは変わっていないようだ。
キセノンは俺が王の間、一度も顔を見せなかった。
キセノンは前王とは直接面会したことはあったはずだ。
おそらく、俺がアリアハン出身であること、俺の治世が失敗したらキセノン商会の立場が悪くなることを懸念しての判断だろう。
俺が、キセノンの立場なら同じ判断をする。
「アーベルと面会すると、あいつが何を言い出すかわからないから顔を見せなかったと話していたわ」
テルルが自分の父親から聞いた話を俺に伝えた。
「俺も、キセノンに同じ事を言い返したい」
「あとで、顔を見せたらいいじゃない」
「あまり顔を合わせたくないな」
魔法の玉のこともある。
俺がバラモスを倒した時に使用したのだが、使用した事実を知っているのは、キセノンとテルルにセレン、そしてジンクだけだ。
他の者には、俺専用呪文として伝えている。
知られることで、アリアハンやキセノン商会が大量破壊兵器を所持している事実を露見したくないからだ。
俺がロマリアに残した資料には、「終焉の砲撃」という言葉と、俺が開発した呪文を「極秘資料・危険につき詠唱禁止」と記載して、厳重に管理させている。
当然秘密を解析しようと、ロマリア国内外から調査するものがいたが、成功するはずがない。
ちなみに、俺が開発した呪文は勇者専用の自己記憶消去呪文「わすれる」を誰にでも扱えるよう、改良したものであるはずだ。
あるはずだ、というのは人の記憶に作用する呪文など、怖くて他人に実験できない。
資料にはきちんと「使用者の記憶に影響を与える可能性があります」と警告している。
誰も試さないだろう。
このことを説明したジンクからは、
「あなたほど悪辣な人は、師匠しか知りません」
といわれてしまう。
そういえば、ジンクの師匠とはどんな人か、一度だけ聞いたことがある。
母ソフィアに質問したこともあるが、いつもはぐらかされていた。
ジンクの話によると、「巨乳の美女しか、弟子を取らない人」らしい。
むっつりスケベか。
いや、ただのスケベかもしれない。
俺の母親が、師匠の話をしない理由がなんとなくわかった。
ちなみにジンクは弟子入りするために、モシャスを唱えて変身したそうだ。
いろいろと突っ込むところはあるが、ジンクに対していったのは、
「ジンクよ、そこまで
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