第34話 新生ロマリア王国
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クに合図を送る。
ジンクは前王とその息子を会議室に招いた。
「前王!」
幹部達は起立し、挨拶する。
「俺は、彼に王位をゆずる」
俺は前王の息子に譲位を宣言した。
「しかし!」
「俺は、もう王位は継げない。かといって、王冠がない今、継承できるものは彼しかいないのだ!」
幹部達はため息をついた。
俺が、計画的に退位すること。そして、拒むことが出来ないことを知ったのだ。
「許せ、みなのものよ」
俺は頭を下げる。
「この国には未来がある。そして、ロマリアの者で未来を切り開いてほしいのだ」
「・・・」
「お前達には、その責任がある。そして、能力もあるのだ。たのんだぞ」
俺は再び頭を下げる。
幹部達も俺に頭を下げていた。
「皆に感謝する」
俺は、会議室を後にした。
もうこの部屋に入ることもないだろう。
いろいろあったが、楽しい一年だった。
だが、俺にはしなければならないことがある。
部屋を出ると、そこにはテルルとセレンが待っていた。
「待たせたな」
「うん」
「本当に、待ちくたびれたわよ」
セレンとテルルは俺の手を握ると、そのまま城をあとにした。
交渉魔術王と呼ばれたアーベルの治世の最後であった。
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