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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第34話 新生ロマリア王国
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た。
「俺を誘拐して、どうするつもりだ?」
俺は、目の前の盗賊たちに問いつめる。
「何を言っている?」
「勝手に侵入したくせに!」

どうやら、目の前の盗賊達は俺の言葉が理解できないようだ。
「意味がわからない。ロマリア王である俺が、なぜわざわざここにいる必要がある?」
「は?」
「なんだと!」
「そういえば、凱旋式でみたことあるぞ」
「本当か」
「確か、魔王を倒したとか」
ジンクか、話を広めたのは。

「俺は、邪神を倒したと聞いたぞ」
「いや、倒したのは竜の王様だったはずだ」
「たしか、恋人を殺された・・・」
すげえ、いろいろと変な噂が混ざっている。

否定するのも面倒なので、話を続ける。
「目的はなんだ、身代金か?」
「だから、お前が勝手に侵入しただけだろう」
「だいいち、俺たちのほうがつかまっているし」

おかしい。
どうも、意志の疎通が図られていないようだ。
俺が、反抗したときに放った、爆発魔法イオラの影響か。
「仕方がない、もう一度魔法を使えば、いいのかな?」
「すいません」
「勘弁してください」
平和的に話が進めば、こちらも助かる。
とりあえず、夜が明けるまでには帰りたい。

「そうか、この王冠が目的なのだな?」
俺は頭に身につけている装飾品を指し示す。
「えっ?」
「どういうことですか?」
「どうしたら、お話を聞いてくれるのかな?」
俺は、再び魔法を唱えようとする。

「そうです!」
「そのとおりです!」
盗賊達は、あわてて頷く。
前の世界で有名な、魔法少女の交渉術を参考にしたのだが、本当に効果があるようだ。

「じゃあ、俺の命と引き替えにこの冠はおいてゆく」
俺は冠を外し、地面に置くと、リレミトを唱えて塔から脱出した。


「・・・。というわけで、卑劣な盗賊団にさらわれた俺は、王冠と引き替えに命からがら脱出しました」
「・・・」
俺は、いつもの会議室で誘拐事件の報告をした。

「偶然、塔にいたテルルとセレンのおかげでここまで帰ることが出来ました」
「・・・」
俺の隣にいるセレンとテルルを紹介する。

「俺の不注意で、こうなってしまった。責任をとりたい」
「まさか!」
「王を辞める」
「!」
「なんだと」
「ふざけるな!」
参加している四大幹部(今では4大貴族とは呼ばなくなっていた)たちは激怒した。

「ふざけてなどいない」
「この国の将来はどうするのだ」
「俺がいなくても十分だ」
本当のことだ。
すでに、政務の大部分を大臣達に任せている。

「しかし」
「王の権威を失った俺は、王の資格はない!」
俺は言い切った。
ここからが、勝負だ。
「王の権威を持つものは別にいる」
俺は、入り口にいたジン
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