第33話 凱旋式
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飲んでいないので、簡単に逃げ出すことができた。
「王様、ここの席あいていますか?」
「そのようだね」
「失礼します」
見知らぬ女性が、俺のそばにすわる。
薄い水色のパーティドレスを身につけている。
装飾品から判断するとどうやら、貴族の娘のようだ。
貴族達は、俺の政策に反対していた。
当然だ。
既得権益を奪ったからだ。
だが、俺の作戦が成功したことで、俺に対する態度は大きく変わる。
沈んでゆく船の貴賓席にしがみつくよりは、普通席でも新しい船に乗った方がいい。
貴族達も俺についてゆけば、利益になると考えたのか、親しげな態度を示しはじめた。
まあ、だからといって、今後の方針を変えることはないが。
「さすが、王様ですわ」
「運がよかっただけだ」
「そういって、自慢されないところがすてき」
娘は俺に腕を絡めてくる。
「!」
娘は、急にねむりはじめた。
「さっそく、マホカンタの力を使うことになるとは」
俺は、ため息をつき、娘の腕をふりほどく。
娘は、ラリホーで俺を眠らせようとしたようだ。
俺の魔法の壁で反射され、自分が眠りについたようだ。
「いやあ、あぶない、あぶない」
「どうか、なさったのですか?」
こんどは、別の貴族の娘が声をかけてきた。
いや、1人ではない。後ろに4人いた。
「王様、ぜひとも武勇伝が聞きたいですわ」
「すごい怪物を倒したおはなしとか」
「わたくしは、将来のことをお聞きしたいですわ」
「将来のことって、ご結婚のことですか」
「お姉様、ぬけがけは、ずるいですわ」
「あら、まだ何も始まっていませんわ」
「そうですわね」
「王様、ご一緒ねがいますか?」
「・・・、ああ」
俺は、引きずられるように別室に連れ込まれた。
「・・・で、続きはどうなるの?」
「母さん。人が手紙を書いている途中に邪魔をしないでください」
俺はため息をついて、母ソフィアに注意する。
俺が書いた手紙は、9行目で止まっている。
「それに、ジンク」
俺はジンクに指摘する。
「勝手に、話を作るな」
「違うのですか。ならば説明してください」
俺はため息をついた。
「アーベル!」
「・・・、ごまかさないでください」
テルルとセレンが追求した。
悔しいことに、ジンクの話は事実だ。
ジンクの説明のとおり、別室に連れ込まれたが、そこで前王の息子とジンクが話をしていたので、普通に世間話をして俺は帰った。
やましいことなど何もない。
それよりもだ。
「ジンク、どうして詳細まで知っている」
「情報網の違いですよ」
俺はうなだれた。
ジンクは王宮内にある、侍女達のネットワークを完璧に把握している。
俺は密かに、ジンクに支配されるこ
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