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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第33話 凱旋式
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そこまで無礼だと問題がある。
次からは、無理に酒を飲ますのを禁止項目に入れておこう。


「王様」
「どうした、マニウス?」
「ご成功、おめでとうございます」
「どうした、改まって」
俺は、マニウスに話を促す。
彼には、首都防衛司令官をしてもらったが、彼の手柄を奪ってしまった。
本来なら、彼にも凱旋式に参加する資格は十分だったが、彼は固辞した。

「こうして、国中あげて楽しい宴を開くことが出来たのも、王様のおかげです」
「俺だけではない。お前を始め、国民達の総力のおかげだ」
俺は断言した
「だからこそ、みんなが本当に楽しく宴に参加しているのだ」
「・・・、王様」
マニウスの目から涙がこぼれる。
「前の王も、すばらしかったが、王様がいなければこの国は、この国は・・・」

どうやら、マニウスは酒を飲むと、なみだもろくなるようだ。
「そう思うのなら、明日からも頼むぞ」
「はい」
俺は、マニウスの肩を叩いて、テーブルを離れる。

俺の言葉に嘘はない。
彼の折衝能力と、彼のかつての部下達の才能は、今後の都市開発に欠かせない。
俺の都市計画案は、概要部分だけしか作っていなかった。
彼らの力で、計画に血肉がつき実を結ぼうとしていた。
俺だけの計画なら、蜃気楼で終わったはずだ。


「よーし、がんばって特盛りいっちゃうぞー」
「さすが、ジンクさん、すてきー」
「ねえ、私にもお願い」
「抜け駆けは、ずるい。次は私の番でしょう!」
ジンクの周囲は盛り上がっているようだった。
何をやっているのかは、人垣ができているので、こちらからはよくわからない。
・・・。
興味はないので別のところに向かう。


「勇者殿。待ってましたよ」
「俺は、勇者ではない」
「またまた、嘘ばっかり。あなたが勇者でなければ、誰が勇者になるのですか」
外務大臣のレグルスは俺を見かけると、肩を捕まえ強引に椅子に座らせる。

「いやあ、実は僕、勇者にあこがれていましてね」
レグルスは酒を飲みながら、勇者について熱く語っている。
戦いが始まるまでは、俺の事を毛嫌いしていたのだが、戦いが終わると手のひらを返したようにこっちにすり寄ってきた。

ジンクからの情報では、レグルスは勇者にあこがれており、アリアハンに行く機会を密かにねらっていたらしい。
俺が、3カ国交渉で、レグルスを使わなかったことから、俺に反発していた。
ところが、俺が魔王を倒したばっかりに、俺が勇者であると勘違いするようになった。

「だから、俺のことを勇者と呼ぶな!」
「失礼しました、あなたが勇者であることは極秘でしたね」
「だから違う!」
「とぼけ方も上手いですね。見習います」
俺は隙を見て立ち上がると、逃げ出していった。
俺は酒を
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