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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第30話 これからのロマリアの話をしよう
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った日から、毎日
のように「いつから始めるのだ」と俺に催促してきた。

この会議で確認しないと駄目だと言ったら、「俺にまかせろ」と言い出す始末。
だが、こいつに任せるわけにはいかない。
他の準備もあるからと、なだめすかすのに苦労した。

財務大臣のガイウスは冷ややかな様子で俺を見つめていた。
前回提案した、兵の削減案と徴税員の強化にどれだけ手を打つことができるのか、試すような目つきだ。
もちろん、自分の意見に反対するようであれば、別の手段をとるよう算段している様子も見える。

内務大臣のマニウスは、落ち着きのない様子だ。
自分が手塩にかけた部下達がガイウスに奪われないか心配しているのだ。

最後に外務大臣のレグルスは、つまらなそうな様子で俺を見ていた。
今日の議題は、自分には関係ないと思っているのだろう。

あとは、前王が顧問役として顔を出している。
ジンクは入り口で護衛だ。
とジンクを眺めると、お茶を運び終わった侍女と、たわいもない話をしていた。

「また、新しいイオナズンを覚えたよ」
「まあ、そうですか」
侍女は楽しそうな様子でジンクの話につきあっている。
「こんど、私の部屋で一緒に試してみないか」
「まあ」
侍女は真っ赤な顔で俯きながらかすかに頷いた。
まんざらでも無い様子だ。
この国では、イオナズン(室内用?)の使い手がもてるのか?
俺がイオナズンを使えるようになったら・・・。
・・・、どうでもいい話だな。


「さて、そろったようだな」
俺は会議の始まりを宣言する。

俺は、さっそく解放計画を提案する。
「俺は1ヶ月政務に携わった。
そして、皆の指摘のとおり、この国の財政は危うい状況にあることを知った」
皆が頷く。
いや、デキウスは早く話を進めろとせかしている。

「そこでだ、俺はモンスターに蹂躙された都市を奪回する計画を立案した」
俺が合図をすると、俺の直属の秘書官が計画案を皆に手渡した。
俺の字は汚いので、代筆は全て秘書官に任せている。
「都市を開放することで、人口や生産性が向上し、税収が増加するだろう」

「何を考えている!」
財務大臣であるガイウスは声を荒だてる。
「財務が逼迫しているおりに、軍事行動だと。ばかばかしい!」
手にした資料を叩きつける。

一瞬で会議室は静まりかえったが、俺が口を開く。
「確かに、普通はそうでしょうね」
俺は、ガイウスをみながら言った。
「だが今回は皆さんの、特に財務大臣の協力をいただけますから」
「認めないぞ、そんなことは」
「そうですか、残念ですね」
俺は、平然と答えた。


財務大臣が今回の解放計画を認めなかった。
そして、俺が「そうですか、残念ですね」と答えた。

周囲はその様
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