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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第30話 これからのロマリアの話をしよう
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、個々の能力を引き上げます」
「それは俺が既にやっている」
デキウスは反論する。
「近衛兵としての能力は高いかもしれません」

「俺が目指すのは、二千以上のモンスターを殲滅するだけの力を与えることです」
俺は断言する。
「兵を三ヶ月預けてください。ここら辺のモンスターを雑魚扱いさせます」

俺の計画を話す。
兵士を特訓させ、個々の能力を底上げする。
その上で、モンスターを呼び寄せ殲滅する。
最後に、指定した領土を回復させる。
デキウスは懐疑的に話を聞いていたが、最後にはこういった。
「確かに、口先は上手いようだな」
「兵を預けてもらえたら、口先だけではないとお見せできますが」
「わかった、後はまかせた」
デキウスは立ち上がると、準備のため部屋を出て行った。

俺は、ギルド長に話しかける。
「そして、あなたの力をお借りしたい」
俺は、ギルド長に依頼をする。
「私にできることであれば」
ギルド長は、少し身構えて話を聞いていた。
いまだ俺の話を信用していないようだ。
まあ、俺の依頼は、信用とは無関係の話だが。

「あそびにんを傭兵として雇いたいのですが」
ギルド長は俺の言葉に不信感を抱く。
「・・・。あそびにんですか?」
「そうです」

この国には、闘技場がある。
そのため、多くの遊び人がこの国に集まっている。
当然、その中には金に困っている奴らも多いだろう。
そんな奴らに、ぴったりな仕事がある。

「いかがですかな」
「・・・。わかった」
ギルド長は、最終的には了承した。


夜になって、俺は、王宮のバルコニーにいた。
これから使用する魔法の訓練の為だ。

国王に就任してから、1ヶ月が過ぎようとしていた。
俺は、昼間は政務をこなし、夜は魔法の研究と訓練に明け暮れていた。
冒険に出ないので、MPを消費することがない。
もったいないので、寝る前に魔法の実験に使おうということで、俺の日課になっていた。


俺が実験、訓練しているのは、トベルーラと呼ばれる飛行呪文である。
俺はこの呪文を、都市奪回計画の切り札の一つとして訓練していた。
MPの消費効率が悪いので、最初は十分程度しか飛行出来なかったが、詠唱方法の改良により、今では一時間程度飛べるようになった。

「まあ、今日はこの辺にしておくか」
明日は大事な会議がある。
早めに切り上げて休むことにした。


今日は1ヶ月ぶりに四大貴族がそろう会議だ。
参加する貴族達の様子は、前回の会議とは異なっている。
近衛兵総統のデキウスは、前回とは異なり、やる気に充ち満ちていた。
彼は今日の議題を知っており、早く実現することを願っているのだ。
前回の会議のあと、複数の参謀と協議を重ね「実現可能な計画」とわか
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