第29話 ロマリア王の陰謀
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る様子だし、テルルは逆に、俺に文句を言い出す。
俺は悪くない。
悪いのは、変な提案をした母さんだ。
「変な提案とは失礼ね。ロマリアの法律ではちゃんと認められているわよ」
「ああ、そうですか、そうですか」
俺の王としての仕事が一つ増えたようだ。
俺が王位にいる間は、側室制度を廃止しよう。
「とりあえず、話がややこしくなるから、俺が王位にいる間は結婚しないよ」
「あらそう、残念」
ソフィアは心底残念がった。
「結婚すればいいのに。国王の結婚式ならさぞかし、盛大だったでしょうに」
ソフィアは昔のことを思い出したのか、ため息をつく。
ソフィアにつられて、セレンとテルルも想像して顔が赤くなる。
セレンもテルルもまだ16歳だ。
面会したときに会った前王妃の姿を見れば、結婚式に心をときめかすのも無理はない。
「それに、費用は全部ロマリア王家の財産から捻出されるので、我が家の家計は痛まないし」
ソフィアは、急に現実的な話を振ってくる。
「いや、そんなことで王家の財産を浪費するつもりはないよ」
俺は、ため息をついて母に反論する。
ロマリア王国の財政の危機に、余計な支出は避けるべきなのだ。
結婚特需で、一時的な税収の増加も期待できるかもしれないが、優先すべき問題が別にある。
「アーベル!結婚式を「そんなこと」とか「浪費」とか言うなんて失礼よ」
「えっ」
「アーベル。2人に謝りなさい」
ソフィアは笑顔で俺をにらみつける。
「・・・。ごめんなさい」
論点がずれているとおもいながらも、俺は素直に謝った。
ソフィアのことだ。絶対にわざと論点をずらしているはずだ。
だったら、下手に逆らっても無意味だ。
「ですが、2人が望むかどうかは別問題です」
「2人とも結婚したいでしょう」
セレンとテルルは思わず俯く。
俺は2人を援護する。
「結婚はしたいでしょう。でも、俺と結婚したいはかぎりませんよ」
「そうかしら?」
ソフィアは俺に疑問を呈する。
「それに、結婚してもそこが終わりではないのです。あたらしい、始まりなのです。そこまで考えないと、不幸になりますよ」
結婚が、終わりの始まりとか言われたら悲しいではないか。
今の両親をみれば問題はないが、前世の事を思い出すと、無計画なのは問題があるだろう。
まあ、俺もまだ16歳だ。年齢的にも結婚はまだ先になっても問題ないはずだ。
こんな事を真面目に言えば、夢も希望もない子どもにしか見えないだろうが。
「アーベル。すごいです」
「セレン。そこは感心しなくていいところよ」
「アーベル。そんなことを言ったら一生結婚できないわよ。勢いよ、勢い」
ソフィアは一目惚れで結婚した。
そして、幸せに暮らしている。
俺がいくら説明しても、経験者の一
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