第29話 ロマリア王の陰謀
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セレン、テルルである。
ジンクは部屋の入り口で護衛をしている。
ちなみに、ジンクと母ソフィアとは知り合いで、同じ師匠の下で修行をしていたらしい。
母親に対して「師匠から、イオナズンを何種類伝授されたのか」を質問したかったが、何かが終わりそうな気がして、恐ろしくて聞くことが出来なかった。
俺は、ロマリア王に招待されてからの出来事を話す。
前の王から急に譲位され、辞退する事が不可能だったこと。
1年間は王位に就かなければならないこと。
1年後には、前の王の息子に王位を譲ること。
それまでは、冒険を続けることが出来ないことを説明した。
「・・・。すべては、ロマリア王の陰謀だったのだよ!」
俺は、最後にこういって締めくくる。
「すごいですね。アーベル」
「そうだったの」
「わかったわ。アーベル」
とりあえず、3人は納得してくれたようだ。
部屋の入り口で、ジンクが「な、なんだってー!!」と叫んでいるが、俺たちはまったく気にしてはいなかった。
母は一言、「師匠のまねかしら?」と首をかしげていた。
「私は構わないけど、2人はどうするのよ、アーベル?」
ソフィアはセレンとテルルに視線を移しながら俺に問いただす。
「それは、聞いてみるしかないな」
俺もセレンとテルルに視線を移す。
「それは、・・・」
「急にいわれても」
「そうだよな。まあ、時間はあるのでゆっくり考えて欲しい」
俺にとっても、急な話だが、2人にとっても急な話だ。
だが俺と違って、計画をもって冒険をしていたわけでもない。
「1年したら退位するので、そのときは再び一緒に旅をして欲しい」
「はい」
「・・・、仕方ないわね。わかったわよ」
セレンは素直に頷き、テルルはすねた顔をしてうなずいた。
2人とも、少し顔を赤くしているが、それほど怒っていないようなので少し安心する。
「セレン、テルル。せっかくだから、この王宮で生活してみたら?」
ソフィアは急に2人に提案する。
「ですが、私たちアリアハンの国のものですが」
テルルが反論し、セレンが頷く。
「そうね。でも、アーベルと結婚すれば王妃になれるから問題ないわよ」
確かに俺も即位したから、ロマリア国民になった。
その理屈からすれば問題ない。
いや、大問題だ。
俺たち3人は反論する。
「・・・、急にそんな」
「け、結婚なんて!」
「母さん。2人同時に結婚をすすめるのはおかしいでしょう」
「あら、そうかしら。側室という手もあるわよ」
ソフィアはにこにこしながら、俺の反論に新しい爆弾発言を投げつけた。
「側室ですか、・・・」
「アーベル!何考えているの!」
「おい、テルル。提案したのは母さんだ。俺じゃない」
セレンは何か真剣に考えてい
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