第4章 新生ロマリア王国
第27話 迷ったら 現場に戻れと 言われても 俺の現場は 何処にあるやら (詠み人 アーベル)
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のか。
ジンクの考えた提案内容を十分検討する必要があるだろう。
だがその前に、俺が知らなければならないことがある。
ジンクが排除すべきと提案した、貴族達のことだ。
貴族達の立場からの話をきちんと聞かない限り、動くのは危険だ。
3カ国交渉の時とは話が違う。
ジンク達の提案は、利害対立の調整ではなく、相手の完全な排除である。
今回失敗すれば、直接我が身の破滅となる。
俺は、中心となる大貴族達の話を聞くことを決めた。
ロマリアには現在、四大貴族が存在する。
ロマリア王国建国時に功績のあった者達を貴族に叙任したのだが、そのなかでも特に活躍した12人に大貴族の称号を与え、他の貴族達と別の扱いをした。
大貴族はモンスターの襲撃等によりその数を減らし、現在では四大貴族としてロマリア王国に君臨している。
今日は王として、初めて四大貴族達と話をすることになっていた。
俺が四大貴族達を見たのは初めてではない。
はじめて見たのは、最初にロマリア王に交渉を持ちかけたときだった。
だが、その場で話をすることもなかった。
俺たちは、円卓のテーブルに座っていた。
「さて王よ、話を伺おうか」
全身筋肉という感じの男が声を上げる。
この男が、近衛軍総統ヴァルゴ家の当主デキウスである。
年齢はすでに40を超えているが、その力は衰えず、ヴァルゴ家史上最強と言われている。
だが、自らの力を過信するあまり、他の貴族や俺を見下す姿勢が見られる。
俺のことなどは、「口先だけで王位に就いた」と公言してはばからない。
実際は「就いた」が「就かされた」の違いがあるが、訂正すればさらに恥ずかしい話になるので、俺は訂正はしないことを決めていた。
今回最初に話を切り出したのは、早く話を終わらせて、武術の鍛錬の時間に充てるつもりのようだ。
「自分はこの国で生まれた訳ではない」
別の世界から来たことは言えないな。
「この国のことは、冒険者で会ったときとアリアハンで知った知識しかない」
俺は前の王を含めて全員を見渡す。
「であれば、前の王を含めて重臣である皆さんと協力して、国を運営しなければならない。
しばらくは、これまでどおりとして皆に任せることになるが、今の時点で自分に伝えるべき事があれば、話して欲しい」
デキウスが口火を切る。
「王よ、これまでどおりなら話すことはない」
「そうか」
「そうだ」
デキウスは挑むような目つきで、俺をにらみつける。
「わかった。よろしく頼む」
「ふん」
デキウスは、口先だけは立派だなと言いたげな様子だ。
「デキウスよ。鍛錬がしたいのであれば、帰って良いぞ」
デキウスは喜んで立ち上がる。
「さすが、口先で王になっただけのことはある。失礼する」
デキウスはそのまま部
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