暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
4*まともな奴ほどバカを見る
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かな玉座がいくつかある以外は質素である。
それには理由があるのだが、それは今はおいておこう。

そして待つこと数分。
扉が重々しくひらいて、

ゼノアと共に、全身黒づくめの青年が現れた。

彼の姿に一同が驚いていた。

髪や目は皆報告で知っていたが、それよりも着ているものが凄すぎた。

ありえない程繊細できっちりとした編み目の服に鈍く輝く黄金のボタン。
襟裳には奇妙な記号が書かれた赤色の長方形の宝石(クラスの書かれたバッチ)に、青い小さな勲章(校章)。

服だけ見ればどこかの軍人だが、本人に覇気が足りないのでそうとは思えない。



『こ、これは…』

そう、覇気はないが、異常に似合うのだ。
実は彼、元の世界でも隠れファンが結構いたりした。

そして以外と緊張しいな節のある姫様は、予想外の事に硬直していたが、やがてこう切り出した。

「…私はこのトゥインバル国の第三王女、エリザ・ルル・トゥインバルだ。
さっそくだがナルミとやら、お前の能力とは一体どんな物なのか見せてはくれないか?噂ではカームルを粉砕するとも魔物を呼び出すとも聞いているが。」

緊張からかまくし立てるように一気に言った。

すると周りの隊長達がざわめき始めた。
何故騒ぐのかわかってない姫様にゾーン爺が近づいてきて小声で

「姫様!こんなところでそれをやらせるおつもりですか!危険すぎます!」

と、あくまで小声で叫んだ。
姫様はなるほど、と納得はしたが

「だからなんじゃ、私はいますぐ見てみたいんじゃ!
それに隊長が全員いるのに危険もあるまい。」

ワガママ、暴走。
しばらく言い争いを続けていたが、こうなった姫を誰もとめることはできないので、仕方なく姫様の後ろに下がることにさせられた。

さらに、ゾーン爺との言い争いで緊張も解れ、いつもの調子を取り戻すことができた。
なので彼を真っ直ぐ見据え

「で、やってみてはくれないか?」

と言った。
すると今度は、彼が姫様を値踏みするような視線を送ってみた。
相変わらず覇気はないが…

真っ直ぐ彼の目を見ていた姫様にしか気付かない程の些細な変化だが。

『やっぱり、どこかの秘術の類かの。』

普通、秘術等は例え王族といえど他人には簡単に見せられない。
それがこの世界の常識である。

なので…

「…駄目か?」

泣き落とし、決行。
ちなみにこの方法はここにいるゼノア以外の全員一回は引っ掛かった。
ゼノアにはやったらすぐに見破られ、叩かれ、その痛みで泣きそうになった。

ちなみに余談だが、5番隊隊長は今の所13回落ちている。
というか、全部に引っ掛かっている。

さて、このほぼ負け無しな泣き落とし。
彼に
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