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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第26話 そして、再建へ・・・
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マリアはモンスター達の襲撃で国土が縮小した。
モンスターがいなくなれば、やがて国土が回復するだろう。

「あの、勇者オルテガですら成しえなかった魔王討伐が、達成されると本気で考えているのか」
ロマリア王が質問する。
「まあ、そうですね。今の勇者がオルテガより弱くても大丈夫でしょう。彼の敗因は1人で戦ったことにつきます」
ジンクが頷く。
「あなたがいうのであれば、間違いないでしょうね」
「だからこそ、あなたに世界が平和になった先を見据えた指針を作ってほしいのです」
「誰も、世界が平和になった先のことを考えていないから?」
「多くの人は、その日の暮らしのことを考えるだけで精一杯です」
「しかし、おぬしはそうではないようだ」
ロマリア王は口をはさんだ。

「本来であれば、息子の役割なのだろう」
王の息子は、残念そうな顔をする。
「息子にはその才能がないのだ」
ロマリア王は俺に頭をさげる。
王の息子も俺に頭を下げた。


俺は、ジンクの考えを理解した。
暇であれば、計画に参加してもいいだろう。
元国王という称号は、いろいろと役に立つはずだ。
だが、俺には優先すべき事がある。
だから、この質問をする。

「私が断ったら、どうするのだ。裏切って貴族に取り入るかもしれないぞ」
「この国の将来が分かった以上、貴族に取り入っても意味が無いことぐらいわかりますよね」
「俺が替わりの王を見つけることくらい、簡単ではないのかい」
「そうすれば、アーベルの退位と同時にポルトガとの秘密交渉を公表します」
くろこしょうで利益を上げる計画のことか。

確かにあの交渉は国家権力を私的に使用したとも言われかねない。
ロマリアの法律上、少し法に抵触しそうなところがあることは知っている。
もちろん罰せられるのは、ジンクだけであるが。
当然、アリアハンの法律では問題のないことは事前に確認している。
「自分の在位中に合法化し、譲位の条件にすればどうする」
それでも、自分を正当化できる方法を持ち出して、ジンクの反応を確かめる。

「アーベルの冒険はそこで終わりですね」
「終わるとは?」
「私の特技をご存じですか」
俺は、ジンクと最初にあった日のことを思い出す。

「イオナズンだったが、まさか・・・」
俺は思わず声をあげる。
「本当は、メラゾーマの方が得意なのですがね。インパクトが違うのでイオナズンと言っています」
ジンクは呪文を唱えると、俺と同じ姿にかわる。
ジンクは変身呪文モシャスを使えたのだ。

モシャスはイオナズンよりも低いレベルで習得可能な呪文だが、火の最強呪文メラゾーマよりも高いレベルが必要だ。
今の俺では、メラゾーマの一撃で死ぬだろう。

俺はため息をついてから、確認する。
「お前は
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