第26話 そして、再建へ・・・
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をさせるのだ」
俺はジンクに質問する。
ロマリア王は相変わらず黙ったままだ。
「貴族を滅ぼして欲しいのです」
ジンクは微笑みながら俺に答える。
これまでジンクが見せた顔ではなかった。
表情に真剣味があった。
確かに貴族を滅ぼすことができれば、国家の歳出が減るだろう。
王国が抱える問題は解決するかもしれない。
少なくとも、渡された資料にはそのように記載されていた。
資料の内容を考えれば、何年も前から考えていた計画のはずだ。
俺は、だが、質問を止めない。
俺の将来の話だ、たとえ王国が相手でも、徹底的に追求する。
「何故、今の王では出来ない」
ジンクの答えは簡潔だった。
「逆に滅ぼされるでしょう」
「では、私がやっても一緒ではないのかね?」
俺はジンクをにらみつける。
計画が失敗し、ただの冒険者である俺が滅んでも、問題はないのだろう。
ジンクは俺の視線をかわすことなく、話を続ける。
おちょうしものの特性かどうかはわからない。
「いくつか、こちらで手段を用意します」
ジンクは手段の内容を説明することなく、俺の質問に答える。
「ただ、我々が表立って動くと、すぐに貴族達の知るところになります」
計画の遂行は自分たちでやる。
ただし、今の王が行うわけにはいかない。
だから、別の王を立てる必要があると。
「私は飾りか」
「ただの飾りでは、意味がありません」
「なるほど、注目を集める程度には物事を進めろと」
俺には俺なりの、王としての役割があるということか。
「おっしゃるとおりです」
「ジンクが王になればいいのではないか。ロマリア国民の気持ちを考えると、私が王になるより反発は少ないとおもうぞ」
俺はジンクに皮肉を込めていった。
俺を勝手に計画に加えるなと。
「残念ながら、私も貴族です」
ジンクは平然と答える。
「貴族がいることで国が滅びるといって他の貴族を滅ぼし、滅ぼした自分は王位に安住する。国民に許されることではありません」
国が滅んだあとには出来る言い訳も、滅びる前なら通用しないということか。
「どうして、私を選んだ」
あらかじめ、ジンクとロマリア王にこの計画があったことは理解した。
だが、王を俺にした理由がわからない。
「あなたが、この国に交渉を持ちかけた時に決めました」
「私の交渉術があれば、対応できると」
「それだけでは、ありません」
ジンクはテーブルに置いてある水を口に含むと、話しを切り出す。
「あなたは、やがて魔王が倒されて、世界が平和になると考えていますね」
「まあ、人間同士の争いが始まるだけかもれないが」
俺も、水を口に含んでから、話を続ける。
「それでも、しばらくは先の話だろう。こんなにも荒野が開けているのだ」
ロ
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