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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第25話 そして、ロマリア王位へ・・・
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スが飲めるというものだ。
「アーベル!」
何故かテルルが俺の発言に怒り出す。
「あまり、身も蓋もない発言はどうかとおもいますよ、アーベル」
ジンクはテルルの怒りの声に勢いづく。
なぜか、セレンも俺のほうを見て睨んでいるようだ。
俺が悪いのか。俺が?

「まあ、俺が邪魔なら失礼するが」
俺は、後は3人に任せたとして、席を外そうとする。
「あなたにも用がありますよ、アーベル」
ジンクはにこやかな顔で、俺に親書を手渡す。
「ロマリア王がぜひ、お礼をしたいと」


親書の内容は簡単なものである。
先日の交渉が上手くいったので、お礼をしたい。
ついては、ロマリア王宮に来てくれ。

「お礼は別にいらないが」
俺は困ったことになったと、ため息をついた。
「断る訳にもいかないな」
ロマリア王家からの招待を無下に断ることはできないだろう。
だからといって、そのままのこのこと、礼を受け取るわけにもいかない。
勇者であれば、国賓待遇であるため、礼を受け取っても問題はない。
だが、俺はただの冒険者。
そして、アリアハンの国民だ。

アリアハン王家に断り無く、別の王家から礼を受け取るのは国際問題となる。
特に、ロマリアとポルトガとの3カ国交渉を成功させた使者に、礼を与えるとなれば、ロマリアに便宜を図ったと言われかねない。

「心配しないでください」
ジンクはにこやかに説明する。
「すでに、アリアハン王には了解を取り付けています」
「・・・仕事が早いな、ジンク」
「そうでもないですよ」
ジンクは酒を飲みながら答える。

「もうすこしで、乾杯に間に合わなくなるところでした」
「遅れてもかまわないぞ」
「すてきなお嬢さんたちを独り占めですか、いけませんねぇ」
ジンクは非難の目をこちらにむける。
ふと、周囲のテーブルをみわたすと、「同感だ」という男達の声が聞こえる。

やっぱり、俺が悪いのか。俺が。


俺は、翌朝、念のためにアリアハン王の重臣達と協議していた。
協議した結果は、「問題ない」とのことだった。
俺が最終的に結んだ交渉内容は、ロマリアにとっても有利な内容であった。
交渉は双方にとって有利もしくは不利だと思わなければ、まとめるのは難しい。

であれば、交渉内容に変更を要しない範囲の内容であれば、俺が個人的に何をもらっても問題ないということだった。
念のため、後日報告することになったが。


俺は協議結果を受けた後すぐ、1人でロマリアに旅立った。
ジンクは、一足先にロマリアに帰ったし、セレンとテルルはアリアハンで一休みだ。
俺が戻れば、すぐに冒険が再開される。
ならば、実家にいた方が気楽だろう。
俺も1人であることを気にしなかった。
ルーラで移動するので、敵に会う
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