第24話 そして、「おちょうしもの」への道へ・・・
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「ベギラマやメラミが効かないか」
俺はため息をついて、ヒャドを連発する。
ハンターフライとよばれる蜂型のモンスターは凍り付き、動きを止め倒れてゆく。
「消費MPが少ないのは助かるのだが」
ヒャドは単体呪文であるとともに、モンスターに与えるダメージが少ないため、どうしても戦闘が長引いてしまう。
自分の身を守っていたジンクは提案する。
「イオナズンを使いましょうか?」
「結構です」
別のハンターフライをしとめたテルルが、言葉を返す。
セレンは、傷ついた俺たちを回復している。
「そうですね、ヒャダインのほうが効果的ですよね」
ジンクは、テルルの言葉を適切な呪文を使うことを提案したのだと受け取ったようだ。
確かにヒャダインは、イオナズンよりも敵に与えるダメージは少ないが、イオナズンと同様に敵全体にダメージを与えることができる冷気系の呪文である。
確かに効果的ではあるが、呪文を覚えるためには魔法使いか賢者のレベルが26必要である。
魔法使いの俺のレベルは17であり、賢者のジンクにいたっては、レベル3でしかない。
「あなたは、おとなしく身を守っていなさい!」
「はい、テルルさん」
ジンクは、俺たちの邪魔にならない程度に敵を引きつけながら、パーティの盾になっていた。
バハラタについた俺たちは、さっそくお目当ての商品を購入した。
「これで、安心だ」
「そうですね」
「よかったね、セレン、アーベル」
俺とセレンは、魔法の盾を購入していた。
魔法の盾は、非力な魔法使いでも装備可能な盾であり、かなり高い防御力を誇る。
さらに、敵からの攻撃呪文を軽減する効果もあり、魔法使いにとって最高の盾である。
ちなみに、商人であるテルルも装備可能ではあるが、テルルの装備している鉄の盾と防御力に差が少ないことと、所持金の関係とを総合的に判断し、今回は購入を見送った。
「おそろいですか、いいですね」
ジンクは俺とセレンに声をかける。
「はい」
セレンは俯きながら小さく返事をする。
顔が少し赤いようだ。
セレンは冒険をして人見知りが直ったのかと思ったのだが、すぐに直るものでもないらしい。
「すまない、ジンク。どうやら、セレンはまだ人見知りするらしい」
「なに言っているのよ、アーベル」
セレンではなくテルルが否定する。
「違うのかテルル」
「鈍いわね、アーベルは」
「なにが鈍いのだ?」
「テルルさんは、魔法の盾を買ってもらえないことを残念がっているのですよ」
今度はジンクが答える。
「何言っているの!ジンク」
テルルはムキになって否定する。
「変なことを言うな、ジンク。俺たち3人で決めたことだ」
俺はジンクに反論する。
ジンクが賢者とはいえ、俺たちパーティの判断が間違っているとは
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