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ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第24話 そして、「おちょうしもの」への道へ・・・
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ルに注意されていた。
さて、原作にこんなせりふあったかな。
俺は、昔の事を思い出していると、ジンクは自分の袋から一冊の本をとりだす。

本の帯には次のことが書かれていた。
笑う門には福来たる!傑作ユーモア100選!
テルルは思わず「おもしろそう」とつぶやいていた。
「まさか、ユーモアの本?」
「よくご存じで」

男はこの本を知っていた。
確かこの本を読めば、おちょうしものになれるはずだ。
「ゆずってくれるのか」
男は、ジンクにすがるような目つきをする。

ジンクは、ほほえみながら本を袋にしまう。
「やはり、だめだよな」
男は、うなだれる。
性格を変える本はその効果のため、禁書扱いされていおり、新たな本の作成は困難だ。
商人達はそれを知っているため、冒険者から買い取るときは二束三文で買いたたく。
商人から購入することができないため、さらに入手困難になっている。

ジンクは袋のなかから、別のものを取り出す。
「それは、いったい?」
「モヒカンの毛だよ」
ジンクはほほえみながら、説明を始める。

モヒカンの毛は、装飾アイテムで、装備しているあいだ、おちょうしものになるというものだ。
ユーモアの本の力を使えば、たしかにおちょうしものになれる。
だが、他の本のちからが無い限り、一生おちょうしもののままだ。
後悔する前に、モヒカンの毛を使うことで様子を見てはどうか。
ジンクはそう提案したのだ。

「貸してくれるのか?」
「ああ」
「ありがとう!」
男はジンクから、モヒカンの毛を受け取った。


俺は、宿でジンクと2人のときに質問した。
性格に関する質問のため、セレンがいないときをねらった。
「なあ、ジンクよ?」
「なんですか、アーベル」
「お前も、あの本を読んだのか?」
「ええ、読みましたよ」
ジンクは嬉しそうに話す。
「良かったら感想を聞かせてくれないか」
「そうですね」
ジンクは遠い目をしながら語り出す。

こんな世界だからこそ、いかにユーモアが大切か自分は気付いた。
自分は肩の力を抜いて生きてゆくことにした。

「・・・。そうか、ありがとう」
「どういたしまして」

「ところで、ジンク。本を読む前の性格を聞いてもいいか?」
「いいですよ。といっても、今の性格と一緒ですが」
「え?」
「そうです。おちょうしものですよ」
「どうして、本を読んだ?」
確か、性格が変わらなくても、本の効果は失われるはずだ。
「しゅくじょへのみち」や「おてんばじてん」を男が読むときだけは例外だが。

「おもしろそうだったからです。いけませんか?」
ジンクは俺に問いただす。
「・・・。そうだな、普通はそうだよな。すまない、ジンク」
おもしろそうだから本を読む。
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