第22話 そして、餌付けへ・・・
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にわたります。
不案内な陸地では、食料を確保することも難しいでしょう。
肉も塩漬けで多少の保存もできますが、水分を多く取る必要が出てきます。
その点、こしょうは香りも味も楽しめるだけではなく、防腐剤としての役割に優れています」
俺は立て続けに、こしょうの効能を話した。
誰もが黙って聞いていた。
俺が話し終わっても、静かなままなので、言い訳めいた形で一言付け加えた。
「まあ、王宮での料理ではあまり関係ありませんが」
「・・・、まあそうだな」
そのまま宴は続いていた。
「これでよし」
「アーベル、あの対応で大丈夫ですか」
深夜、宿屋に戻る途中、ジンクは俺に疑問を示す。
俺は、ジンクがバハラタにいった経験があることを利用して、こしょうの買い付けを頼んだ。
ジンクにキメラの翼と1,000Gを持たせたが、100Gで購入できたようだ。
こしょうはイベントで入手していたので、金額がわからなかったが、ジンクから聞いていた情報どおりの値段で助かった。
こしょうの情報や入手に関して、キセノン商会を通すことも考えたが、今後予想されるキセノン商会による買い占めをさけるため、取りやめたのだ。
「まあ、10日以内に結果がでるさ。こしょうに興味を持つはずだ」
「私は保存食の話に興味を持ちましたが、彼らはあまり感心を示さなかったようですが」
「保存食の話は、理由づけのためだよ」
「理由づけ?」
「後でわかるよ。それよりも」
俺は、宿屋の前にいる2人の女性に視線を移す。
「ああ」
「セレンとテルルの対応だな、問題なのは」
「そのようですね」
どうやら、2人は俺たちの帰りを待っていたらしい。
俺たちが、ポルトガ王に再び呼ばれたのは、8日後のことである。
「アーベルよ」
「なんでしょうか」
「このまえの、こしょうのことだが」
「なんでしょうか」
「手に入れることができないか」
「私たちの国でとれるものでありません」
俺とジンクは否定する。
「そして、私たちは商人ではありません」
冒険者が商売品を持ち込もうとして没収された品々は、冒険者ギルドが全て回収し、基本的に原産地に返還される。そこには各国の国家権力ですら介入出来ないようになっている。
各国の商人達が、王が直接冒険者に貿易まがいの行為をさせないようにするための措置だ。
「そうか。あれをもう一度・・」
「王様!」
家臣から制止の言葉が入る。
王は思い出したように、話を続ける。
「・・・、そうだった。あれを使って、兵達の保存食にしたいのだ」
「であれば、ロマリアからの使者と話をすればよろしいかと」
俺はジンクに視線を移す。
「どういうことじゃ?」
話を振られたジンクはよどむことなく話を続ける。
「こしょうは
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